2015/04/06

社にふさわしい土地柄──西永福〜方南町

2015.3.14【東京都】──「神田川を歩く_13」



大宮八幡宮


 最寄りの西永福駅で、唯一の有名どころとして大きく案内される大宮八幡宮は、1063年源頼義(源氏の祖とされる頼朝の高祖父(ひいひいじいさん))が建立した、武蔵国の三大宮(秩父神社、大宮 氷川神社:埼玉県)のひとつとされる歴史ある神社です。
 境内の湧水を霊水とした「多摩清水社:たましみずのやしろ」が祭られますが、裏手を流れる善福寺川では、水路改修工事が行なわれています。
 周辺には洪水に備えた調整池が点在し、現在も水利の要という使命を担うようで、こんな地にこそ「水神:龍や蛇」が祭られるべきではないかと。
 祭られる八幡神は、様々な言い伝えに都合良く利用される歴史ある神ですが、この地に社を建てた頼義の動機を理解できるような気がしました……(パワースポット的な印象)
 上は扇子おみくじ専用の願掛け場。


和田堀公園──調整池壁打ち庭球練習場


 上は豪雨時に川の氾濫を防ぐための調整池。
 2005年の豪雨で被害を受けた川沿いには多くの調整池が建設され、野球場、テニスコートや、上の壁打ち施設が堤防より低い調整池(どつぼ:失礼!)に整備されます。
 これらは応急的なものらしく、上流の善福寺川緑地に地下調整池を建設中です。
 後述の神田川環状七号線地下調節池の上流なので、独自の水害対策が必要となります。


観察の森(嵯峨侯爵邸跡地)


 嵯峨侯爵邸跡地には「観察の森」の雑木林が残され、周辺住民の憩いの場とされますが、歩道以外の林は立ち入り禁止とされるのは仕方ないのか。
 嵯峨侯爵の娘である浩(ひろ)は、軍部主導の縁談により旧満州国皇帝 愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ:「ラストエンペラー」)の弟 溥傑(ふけつ)と結婚するも、『流転の王妃:自伝』に記されるように時代の波に翻弄されながらも、戦後〜文化大革命を乗り越え、1987年に溥傑と暮らす北京で亡くなります。
 溥傑は1972年日中国交正常化を含め、日中間の友好に尽力されました。険悪な両国関係の間の架け橋となり友好関係が実現したように、関係改善が実ることを……

 縄文・弥生・古墳・室町時代の痕跡が残る、済美山(せいびやま)遺跡に隣接します。


神田川環状七号線地下調節池──善福寺川取水施設

 右は、神田川流域(神田川、善福寺川、妙正寺川)の洪水被害を防ぐため、環状七号線の地下約50mに建設された「神田川環状七号線地下調節池」の善福寺川取水施設
 1993年の台風被害を受け、第一期工事(神田川のみ)は97年に完成するも、支流での被害は繰り返し発生します。
 第二期工事(善福寺川〜妙正寺川間)完成目前の2005年豪雨では、緊急避難的な利用で難を逃れますが、後回しとされた地域には、軽んじられている印象を持った方も多いのではないだろうか。
 予算云々ではなく、待ったなしじゃないなの?


立正佼成会


 正面はホテルのようでも、裏からは魔宮のような「立正佼成会大聖堂」(交差点やバス停名に使用される)。
 立正佼成会(1938年)は、霊友会(1920年)から派生した宗教法人で、創価学会(1930年:日蓮宗から分派)とは敵対関係にあるらしい。
 3つの宗教法人は法華経をルーツとしながらも袂を分かち、政治の力を借りて戦後の困窮期に勢力を拡大します。
 同じ教典の読後感が各人で異なるのは当然ですが、「異なる解釈は受け入れない」と敵対する事を当然とされては、非人道的行為を「聖戦」に仕立てる「疑似宗教集団:オウム、IS等」の温床を、社会が保護しているように思えてきます。社会が守るべきは「こころの安寧」です。
 右は付近の東圓寺


方南町駅周辺

 地下鉄丸ノ内線(支線)方南町駅周辺には、グチャッとした住宅密集地があります。
 以前、幼なじみが新婚時代に暮らす賃貸の古い一軒家に足を運んだが、付近はそれ以来か?
 古い家屋の角の取れた空気感がとても落ち着け、「いいとこ見つけたなぁ」の印象が残っています。
 場所は忘れても町の面影は健在で、「あの角の先は?」と誘われる町並みです……(右はそんなイメージ)

 善福寺川は、この先の地下鉄丸ノ内線方南町・中野富士見町駅間で、神田川に合流します。


追記──あれから1年 2015.4.1

 消費増税については、世論調査の意見「増税後は支出を抑える」に意義なしですが、1年で「将来への不安感」がこんなに大きくなるとは思ってもみませんでした。社会保障・年金等に関する不透明さを切実に感じる年齢のようです……

 『笑っていいとも』終了後は俗世間の情報源がないため、昨年の流行語「ダメよ~ ダメダメ」は受賞時に「初めて見た」など、アッという間に浦島太郎です……


追記──陽気に誘われて 2015.3.31


 今年の見頃は平日だったので、陽気に誘われ東京タワー経由で歩いて帰りました。
 近ごろは中国人の「爆買い」に続き「爆花見」とされるように、桜の季節を売りにするツアーが人気らしく、驚くほど外国人旅行者が増えました。
 北半球に暮らす人の「春待ち気分」は同じとすれば、桜満開の「幸福感」は通じるようなので、各地にある桜の名所をアピールしていけば、旅行者が地方に浸透するのではないか? 上はiPhoneで撮影。

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