2014/09/29

祭りばやしが聞こえる──本所

2014.9.13【東京都】──「隅田川を歩く_27」

 以前本所区とされた付近は、関東大震災(1923年:大正12年)の被害から工場地として復興しますが、戦時下では軍需工場とされ東京大空襲により灰燼と化します。
 誕生以来何度となく火に飲まれた町のため区画整理が進み、区割りは細かいが歩きやすい(だから面白味がない?)町並みになりました。


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アサヒビールタワー(Map)


 奥の金色のビルはアサヒビール本部、手前のオブジェを乗せた建物はスーパードライホールでビアホールやレストランが入ります。
 もっぱら隅田川・浅草方面を意識した作りにスカイツリーが加わり、浅草側ではこれまで以上の人気撮影スポットとなりますが、看板と同じで立地場所から見上げると異様だったりします…… 


牛島神社例祭(Map)


 牛島神社の氏子町会は、北の曳舟(ひきふね)から南は両国に至るため、本所辺りでは祭りばやしが四方から聞こえてきます。
 例祭前日は各町会ごとの「子ども神輿」が練り歩き、区割りを知らない訪問者は別方向からの囃子に、違う町会に足を踏み入れたと気付かされます。
 狭い路地奥に見え隠れするお囃子の、かくれんぼのような絵を撮り逃してしまった……あれは是非撮らねば!

 下は子ども囃子の太鼓を乗せた台車で、大人が両脇を引き、奏者は歩きながら叩きます。
 本祭の流れを子ども神輿で馴染ませるらしく、将来の担い手取り込みにぬかりはありません。

 東京スカイツリーの地鎮祭は牛島神社によるためか、ポスターの背景にツリーが描かれます。


 本祭から身を引いた(引退勧告された?)ご隠居たちが、子ども神輿をサポートします。引退後も祭りには血が騒ぐらしく、その姿は発散するかのようです。
 口だけは元気なじいさんは、やかましくも面倒見がよかったりするので、そんなコミュニケーションが子供たちに地元への思いを根付かせます。
 いまどきの親は依頼されるのか、金魚のフンのようについて回るが、昔は一人で参加し知らないじいさんに説教され、「外の社会」を実感した記憶があります。

 子ども神輿にも接待所があり、右はヤクルトに群れる様子で、見事なスカウティング! と。
 エサで手なずけるのは近道ながら、「あのエサが好きだった!」ヤツは必ずいますから、まき続けねば…… いえいえ、現物での慰労接待は大切です!

 王貞治さんは本所出身で、本所中学校に「気力」と刻まれた碑があります(ガキ相手でも手を抜かない)。
 ガキ時分と違い、王さんの姿が浮かび背筋が伸びますし、「喝」を入れられた思いがしました。


 人の群れる船上から焼き物をしてるような煙が流れます。船上バーベキュー? らしいが、船の小ささから「ここは台湾 or 香港?」と思ったり。
 浅草だから目にできる光景に違いなく、本来のテーマである隅田川に戻ってきたと感じさせてくれます。


追記──NHK連続テレビ小説『花子とアン』終了

 少女漫画のような極端な設定や展開が楽しめる物語でした。
 貧しい農家育ちの娘が、伯爵令嬢と「腹心の友:親友」になる設定は笑ってしまうも、オヤジにもファンタジーとして受け止められます。
 女性の原作者・脚本家の理想像? とも思えるチャーミングなオヤジたち(主人公の祖父:石橋蓮司、父:伊原剛志、旦那の父:中原丈雄、石炭王:吉田鋼太郎)や、長身でイケメン男を添え物にしたい!(旦那:鈴木亮平、令嬢の旦那:中島歩)願望のストレートさも理解できました。

 吉高由里子の楽しげに演じる姿には安定感もあり文句のつけようも無いが、終了してもなお「何で彼女が選ばれたのだろう?」の疑問は消えません。
 一方、仲間由紀恵という女優は、演ずる人物像を見る者に染み込ませる力を持ち合わせており、30代なかばで大成した印象を受けた。
 そしてそして、顔は見せないが「このドラマの顔」である、ナレーターの美輪明宏さんこそが本作成功の最大の功労者でしょう!
 「ごきげんよう、さようなら……」(この手の言葉が流行語でもいいと思う)


追記──現在暮らす住宅が「除却(じょきゃく):取りのぞくこと」に……

 現在暮らすUR都市機構「田町駅前市街地住宅:1966年(昭和41年)建設」は、「耐震基準改正:1981年(昭和56年)」への対応が課題でしたが、大震災を契機に動き出した耐震診断の結果と今後の方針についての住民説明がありました。
 室内に鉄骨を配する工事が必要で一時退居や、居住面積が狭くなる利便性の悪化、高額な費用見積等より、「耐震改修を断念し、除却する方針」とされました。
 今回の説明会は「危険な建物から早く退居したい」人への案内で、未定だが最終退居までは2年半程度のスケジュール感らしい。(テナントの「りそな銀行」は10月に移転)
 説明会で立ち退き料の金額が示され、大金ながらも質疑応答でポンポン出てくるその金額に、NHKのコント番組『LIFE』のナンチャンのコント「はい、100万円!」を想起し、「大金」として実感できる金額であることを納得しました。
 入居時に7年は継続予定と聞いたが、12月で3年なので最短でも5年半であればしかたないと思うも、必要と思わない引っ越しはやっかいです……


追記──御嶽山は活火山です。

 信仰対象の山なので登山者が多いことも分かりますが、「御嶽山は活火山」であることを軽視していないか? 富士山も安心できる山ではありません(覚悟を持って登るからありがたさがあった)。
 今回の警鐘を受けても「多分、大丈夫だよ」と、繰り返される「自然を軽視する風潮」が、広島の土砂災害を生み出した元凶と思いますが、すべての危険個所に近寄るなとしたら、海岸や山すそには住めませんし、多くの道が通行止めとなってしまいます……

2014/09/22

エ〜ッ、錦糸町!?──変われない町

2014.9.6【東京都】──「隅田川を歩く_26」

 以前、新婚女性の新居が「錦糸町」と聞き、周囲の連中と声を揃え「エッ、きんしちょう〜!?」とハモったことを思い出します。
 それは、東京周辺で暮らす人々の共通認識のようです。
 両隣の両国・亀戸に無く錦糸町にあるのが「WINS:場外勝馬投票券発売所」で、その存在が「町のイメージを左右する」との認識も確かと思います……


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錦糸町駅周辺(Map)


 「先頭を揃えられないのか?」と言いたくなる、ホーム脇の車両基地。
 義務ではないにしても美意識を持てぬほど忙しいのか、勤務態度の表れか?
 わたしが運転手なら仲間に「揃えようぜ」と言いたいし、それがプロらしさではないかと……

 付近で思い浮かぶのは「楽天地」だけの縁遠さです。
 異質な印象は阪急創設者の手によるためで、系列の東宝が松竹の牙城である浅草への足がかりとしたらしい。
 天然温泉施設を核とした娯楽施設ですが、なぜかWINSの建物にも看板があります。以前ビルに馬券売り場を誘致した経緯から、金づるは離さない執念深さが関西流?
 丸井・WINS裏〜墨東病院周辺の無秩序地帯に根付く暴力団も、関西から引き連れてきたのではないか?
 以前の興行(催し・映画等)にヤクザは付きもので、都内でここだけとされる河内音頭祭りが続く理由とも。
 東京都による「錦糸町・亀戸副都心」の指定は、暴力団排除が主目的だったとしても、現在も何ら印象は変わりません……


能勢妙見堂 東京別院(Map)

 レッドクロスの紋章が印象的な妙見大菩薩は「北極星の神様」なので、星形と思いきや「矢筈(やはず):掛軸を掛ける道具の先端部」のデザインらしい。
 大阪府の能勢妙見山(日蓮宗)東京別院で、幕末に活躍した勝小吉と勝海舟親子は熱烈な信者とされます。
 坂本龍馬も訪れた、島国根性の粘度を感じる日蓮宗の寺院が、日本人の根っこを守ってくれたのかも……

 江戸の外れには各地からの転入者がいるも、関西文化が目につく現状は、何らかの力が働くように見えます。


大横川親水公園(Map)


 木場公園脇を流れる大横川は、前回の北十間川(ツリー付近)から竪川(たてかわ:首都高小松川線下を流れる)までの間が、大横川親水公園として整備されます(地盤沈下の高低差のためではないか?)。

 旧運河沿いの倉庫は再利用され、右の「SUMIDA PARK GALLERY SASAYA」には、カフェ、ギャラリー、劇場施設があります(上は前の水路に竹が映る姿)。
 また近くには、エアリアル(シルク・ドゥ・ソレイユと同じ装置の空中パフォーマンス)スタジオを見かけます。
 日本ではまだ珍しい「空中エクササイズ」は、「肩こり・腰痛 解消!」効果を宣伝している。
 整骨医では首を吊られるので、全身が吊り下げると普段縮こまっている背骨周辺(首や腰)が伸びそうな気がしますが……
 

スカイツリー周辺(Map)


 本所税務署付近に、小梅銭座跡(1736年発行貨幣の鋳造所)の案内があります。
 それ以前から貨幣鋳造は幕府許可制の民間請負事業のため、偽造貨幣(質の悪い貨幣)が勝手に作られ流通するような、大らかな時代(?)でした。
 ギャンブル等で手に入れた「あぶく銭」は、「質の悪い貨幣」に由来するとの説明には、納得です……

 上は、平地に建てた城を店舗とする和菓子「森八本舗」(落雁で有名な金沢の「森八」とは別)の、門に飾られる鯱(しゃちほこ)。
 加賀の老舗と同名で江戸に城を構えるのですから、気合いが入っているのでしょう。


 錦糸町から真っすぐに続く「タワービュー通り:リンク先に上と同じアングルがあった…」はここにたどり着きます。
 ツリー手前の可愛らしいビルたちの会話
 「すごく重いもの背負っちゃった気がするんだけど」
 「こっちに倒れないよう祈るしか無いだろ」
 「ゴジラはこっちに倒さねえよな?」
 「その前に踏みつぶされる……」
 などと聞こえてきそうな、格差社会をサイズ感で具象化したような絵です。
 ですが、ツリーはゴジラを呼ぶために作られたので、彼は必ずやってきます!

 建設時は地元も「下町に世界一のタワーを!」と盛り上がるが、完成してみたらツリーと町並みのギャップの大きさにとまどう様子も。
 東京タワー完成時(1958年)は国民すべてが希望を抱いたが、ツリーには「自慢ではあれ、混雑ばかりで地元は潤わない」住宅地という場所柄の事情が見て取れます。
 わたしのように、レポートはしても金を使わないヤツが一番ガッカリかも……


追記──「メーヴェ」が飛んだ!

 湾岸戦争当時、日本も巻き込まれるとの危機感から、映画『風の谷のナウシカ』の主人公なら別の方策を見いだすはずと、メーヴェ製作を決意したらしい。
 技術的なことは分からないが、ジェットエンジン上の翼に乗り空を飛ぶとは恐れいりますし、みんなの夢を実現してくれたことに「拍手」を送りたい!
 日本は、だいじょうぶダァ〜!

2014/09/15

カメにも「翼をください!」──亀戸

2014.8.30【東京都】──「隅田川を歩く_25」


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亀戸駅周辺(Map)

 右は亀戸駅前の噴水で、地域の人々が羽ばたく夢をカメに託します。左奥の文化センターは「カメリア」とされるなど、困ったときは「亀だのみ」という土地柄のようです。
 この「HANEKAME」像製作の際、「ガメラ」に向かわなかったのは賢明ですし、ペガサスのようなビジュアルにならないことを踏まえて取り組んだのですから、その姿勢に敬意を抱きます。
 その心は、以前亀戸天神裏に広がった遊郭や赤線イメージの一掃ではなく、現在も根城が多数ある暴力団追放アピールのようで、非合法組織の追放には市民運動が欠かせない、とのメッセージに受け止められます……


 同広場には「荒川の水位表示」があり、下側「銀の亀」の位置が荒川の水位で、この時点の水面は駅前ロータリーの高さになります。
 ネガティブにではなく、数あるリスクのひとつとして、緊急時の準備と心構えが大切と思います。

 耳にした記憶がある亀戸餃子の行列や、右の昼間から満席のホルモン青木など、裏路地に充満する庶民の活気に感じるのは、ポジティブさばかりです……



亀戸水神、亀戸天神(Map)


 亀戸と言えば「亀戸天神:1661年」(右)ですが、推定ながら室町時代に祭られた「水神様:1500年代」(上)の方が古く、東武亀戸線には亀戸水神駅もあります。
 地域文化の形成順序としても、豊漁・海の安全祈願の方が学問成就より先なのは当然です。

 萩寺とされる龍眼寺で、咲き始めの萩を眺めるうちに蚊に刺されましたが、2週間経過後もデング熱の症状はないので、ウイルスキャリアではなかったようです。
 69年ぶりの対応で戸惑いも分かるが(初動が悪かった)、予測不能な拡散に「都心の全公園を封鎖せよ!」となりかねず、われらTokyo Walkerたちはビクビクです……


 亀戸天神脇を流れ、小名木川クローバー橋に通じる「横十間川:よこじっけんがわ」に、吹奏楽による『恋するフォーチュンクッキー』などが響いてきます(上)。
 写真の「亀島」は旧地名で、むかし亀の形をした島だったことによるらしい。
 では亀有は? 亀の甲羅のような地が「亀無」とされ、縁起が悪いので「有」に変更されたと。
 どちらも川っぷちの湿地なので、縁起のいい「亀に願いを」込めたようです。


北十間川(Map)

 祭り会場のすぐ裏が、スカイツリー脇へと続く北十間川で、歩道橋でカメラを構える人垣に誘われますが、有名になったアングルとは違います。
 彼らには別のテーマがあったのか? その後人影はサッと消えました。

 ご存知の「逆さツリー」は十間橋からの絵のようです。
 風の弱い日でも水面が波立つ風の通り道らしく、チャンスを待つも粘れませんでした。
 江戸時代に作られた直線的な水路と、ツリーがマッチするロケーションには、「曲がったことが嫌い」な江戸っ子気質が現代も息づいている? ようにも。
 距離が近いため、実景と水面に映る2本分はレンズの広角側でも入り切らなかった……


 水路の北側を走る東武亀戸線のおかげで、その北東側に位置する京島地区は空襲の戦火を免れたそうです。
 線路手前の押上地区は焼失しますが区画は整理されないままで、現在も迷路のような路地が広がります。
 付近では高層建築物が規制されるためか、地域では建て替え済みの新築家屋は多いが、家屋単位で建て替えや土地取引が行われているように見えます。
 右は、地上げ待ちのような廃墟の工場ですが、スカイツリーが開業しても地価は上がらないのでは……


追記──ゲリラ豪雨予測に期待「高解像度降水ナウキャスト」

 この夏は毎日どこかが豪雨に見舞われ(プラス台風)、連日の水害映像に気持ちが疲弊気味です。
 そんな時に「使える」と思ったのが、8月7日に提供開始された気象庁の高解像度降水ナウキャストで、ドップラーレーダー等、様々な観測データから250mメッシュで降水の短時間予報を提供してくるサービスです。
 9月11日の東京は朝と昼すぎに豪雨があり、朝は西→東に雨雲が移動する予測(普段はバスだが電車通勤を選択)が、昼すぎは北→南への移動予測を示し(昼食時に傘持参が大正解)、「気象状況が変わった?」印象を受けました。
 夜の気象情報で、朝と昼の状況変化の予測が的中したことを確認し、シビレました!
 レーダー機器の更新と、3次元の対流予測(気象現象を予測するには必須)で実現した新システムには、ちょっと惚れちゃいました……(スマホでも利用可能です)

2014/09/08

別世界にトリップさせてくれる──水元公園

2014.8.23【東京都】──「隅田川を歩く_24」

 前回の柴又で、地図の北側にある水元公園に目が止まり、以前から誘われていた場所でもあり、この機に便乗しようと遠出を決意しますが、もう隅田川とは別地域です。
 アプローチは、つくばエクスプレス八潮駅(2005年:埼玉県八潮市)からのバスルートですが、八潮インターや、八潮工業団地の名は耳にしてもイメージは無く、駅に降り立ち平坦地が続く空の大きさに、関東平野の広さを実感します。


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水元公園(Map)


 傘は差さずも持ち歩くような曇天が生み出した、東京(葛飾区)とは思えない「別世界のような?」光景が広がります。
 ここは「閘門橋(こうもんばし):水位を調節する水門(荒川ロックゲート等)」で、農地や灌漑用水への海水流入を防ぐ施設でした(現在遺産)。
 監視用のバルコニーは映画の舞台になりそうですし、左の岸が整備されなければ「水の都」のようです。右は建設時(1909年)を想像して加工したもの。
 作った方々の魂が込められているような、存在感のある建築物です。


 公園付近は江戸時代まで東京湾に流れ込んでいた「古利根川」の河川敷とのこと。
 徳川家康の江戸治水整備により利根川は銚子方面へと流れを変え、付近は農地として埋め立てられ、小合溜(こあいだめ)とされる遊水池が現在の水辺となります。

 上は雨上がりで人の少ない景色のせいか、ひょっとして人が不在の時間帯には水が一帯に満ち、船が動き出すのでは? そんなイメージで設置されたようにも感じます。


 上写真の当人に意識はないと思うので、「おじいさんはカエルになってしまいました」という童話の世界のような、魅力的な絵の主人公であることを伝えたい! 
 傘の印象から、ここには「大人向けのトトロ」が出没しそうと、思い浮かんだ「着ぐるみ姿のタケちゃん」は、映画『菊次郎の夏』の大きな葉のイメージによるようです。
 帽子、葉、傘の異なるサイズ感と、その丸い姿が落ち着きを感じさせてくれます。


 上は、生活とかけ離れた景色に見えたせいか、北海道の湖(屈斜路湖だったか?)を想起し、人影も絵画の一部のように感じられた絵です。
 背景に邪魔をするモノがない広さと、スマートな木々を見通せる景色は東京とは思えない素晴らしさで、次回は晴天時に!(曇天だから非日常感が出た気もしますが……)


 公園に隣接する旧東京都水産試験場跡の「葛飾区金魚展示場」(地場産業として盛んだった)では、珍しい金魚が飼育されるらしいも、何が珍しいのかも分かりません……
 縁日などの「金魚すくい」にはノスタルジーを覚えますが、持ち帰り家で育てるも結局は全部死なせてしまいました(土に埋めた記憶がある)。
 それは観賞魚の運命で、「金魚のフン」を観察できましたし、江戸時代から生き物との接し方を学ぶための身近なパートナーだった、でいいんですよね?

 「水辺」を生かし、ゆとりを持って設計されたロケーションはとても落ち着けるので、「いいね!」3つくらいの満足感です。重い腰も軽くなったので、是非また!


第33回 浅草サンバカーニバル(Map)


 第1回に足を運んだ記憶があり、「あれから30年……」でこうなったのね……
 当初は本場からの招待ダンサーが多かった気がしますが、バブル期を経ていまや人前での自己表現も堂に入り、お立ち台のお姉ちゃんは愛想を振りまくが、路上の踊り手は「見て、見て!」と迫ってくるため、中にはちょっと引いてしまう方も……
 激しく腰を振るので、クレヨンしんちゃんは大喜びでも、お尻写真はブレブレです。
 パレードのダンサーを撮るのは難しく(一般撮影は日の当たらない暗いエントリーロードだけ)、100枚以上撮るもまともなのは10枚程度で、デジカメのありがたさを……

 目標を「リオのカーニバル」とするため、フルのチームはお立ち台のトラック(PA車)は必須で、150〜300人編成が目安とされ、オリジナルの楽曲を自演し、踊りも3部構成以上が求められます。
 メンバーが多いためサポートスタッフが付き添い、水分補給や現場で衣装を直して送り出す姿に、彼らの本気さを思い知ります(衣装は自前でも装飾の費用は?)。
 規模が大きいのでスポンサーが必要になるも、看板は並ばない「花火大会のスポンサー」的性格のため、理解を得やすい浅草だから実現できたとも感じます。

 やっと右のカーニバルっぽい写真が撮れ、来年はもっとと考える自分に「それがオヤジ!」と……



追記──蚊に注意する緊張感

 代々木公園でデング熱ウイルスに感染した蚊が確認され、帰宅した各地で被害が確認される様は、不謹慎ですが「テロリストの実験」のようにも……
 蚊に刺されることは日常の出来事なのに、官庁や自治体の「できるだけ蚊に刺されないようにしてください」などのやる気の無さには「↓:ブーイング」です!
 散策で蚊と格闘する身には大きな問題で、虫除けスプレーよりも長袖・長ズボンと考えますが、都会の蚊は越冬するんですよね……


追記──Great KEI!

 テニスの錦織圭選手に世界が驚く時が、ついに訪れました! 
 冷静さ、粘り強さとタフさには「迫力」を感じますし、それは「勝てない相手はいないと思う」発言の、確認作業のようです。
 彼にとっては「いま!」のようですから、そのパフォーマンスを世界にアピールできるよう応援しています!
 でも、ホントにスゴイ!


追記──二刀流の狙い

 プロ野球日本ハムの大谷翔平選手が、投手で10勝、打者で10本のホームランという、大リーグのベーブ・ルース(1918年:当初は24勝もする投手でした)以来とされる快挙を成し遂げます(ホームランバッターのような打ち方だった)。
 そこに二刀流の目標があったのかと驚く彼はまだ20歳。
 この先どこまでいくのか? 期待はふくらむばかりです……

2014/09/01

いまも寅さんの帰りを待つ──柴又

2014.8.15【東京都】──「隅田川を歩く_23」


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 前回の四つ木で「葛飾区」に接した瞬間、距離的に遠い印象が消え去り「次は柴又へ行こう!」と、江戸川まで寄り道です。


帝釈天(Map)

 柴又駅に降り立つと心がゆるみ、寅さんの「おぅ、帰ったぞ!」のように、われわれも「元気でやってるか、労働者諸君!」と声をかけたい気分に誘われ、テンションが上がってきます。
 この町の楽しさは言葉のやり取りから始まるにしても、駅前の「金運がつく、金のうん○を触りませんか〜」はやりすぎと思うも、開運の報告があるらしい……

 現在は撮影見学の観光バスは来ないため、訪問者数が大幅に減ったのは仕方ありませんが、海外からの訪問者は以前より多い気がします(特にアジア系)。

 御前様を演じた笠智衆さん(1993年没 満88歳)は、亡くなる前年まで『男はつらいよ』に出演されました。
 ご本人は体調を整え準備万端ながら、山田監督に老人扱いされることを嘆きつつも、いわゆる「チョイ役」でも映画一本分の出演料に恐縮した旨を、本で読みました。
 日本映画の歴史的名優を、若い世代に認知させた山田監督の功績は大きく、観客からも「何で御前様は出ないんだ!」とされる看板役者ですから、丁重にお付き合いされたようです(松竹や日本映画の至宝でした…)。

 前回以来、帝釈天門前に近いそば屋「やぶ忠」に誘われていました。
 わたしは素朴な田舎風の「やぶ蕎麦」好きで、中でも「穀物と実感できるのどごし」に引かれるため、「東京ではここが一番!」でいいと思っています(素直なつもりでも、雰囲気も加味されそう)。
 以前お世話になった下町育ちの恩人の、「たかがそばに、千円も払うのかよ!」を理解できるようになったらしく、ここの「せいろ:600円」は必要十分条件クリア+好きです(つゆは辛いので気をつけて)。右も帝釈天。


山田洋次ミュージアム(Map)


 上は「山田洋次ミュージアム」の映画タイトルが並ぶ壁紙。
 江戸川に面した「寅さん記念館」に隣接し、2013年公開の『東京家族』が強調されるような2012年12月に開館しました。
 山田監督の施設もこの地をおいて他には考えられませんし、寅さんとのセットで足を運ぶ方も多そうです。

 山田さんは、わたしが映画に出会う以前から半世紀もの間「日本映画のエース」を張り続け、82歳の今年も新作が公開された「日本映画の大黒柱」と言える方です。
 松竹育ちでヒット作以来は相思相愛関係としても、これほどコンスタントに撮り続けられた監督はいません。
 映画人を育成した「撮影所システム」崩壊後は、映画配給会社は企画への投資会社となり、山田さんのような多作監督を生み出せない状況に至ります。

 右は、いまもリリーが寅さんの帰りを待つ、映画のタイトルバックのようです……


矢切の渡し(Map)


 現在も「矢切の渡し」は手漕ぎで風情を感じさせてくれるようです(もちろん動力は備えている)。
 不定期で、客を降ろして人がいれば「乗りますか?」と声をかけるのが営業らしい。
 対岸に見るものは無いにしても、戻る際「渡し船で柴又に帰る寅」気分に浸れるかも知れません(未経験)。


柴又駅前(Map)

 駅に降り立つ際は「帰ったぞ!」、帰りの電車には「ちょっと、行ってくらぁ」と言いたくなる柴又散策は、まるで映画に入り込んでいた時間のようです。
 帰る場所があるから「風の吹くまま 気の向くまま」では単なる勝手ですが、われわれもフラッと「帰ったぞ!」の気分で立ち寄ってもいい場所ではないかと……

 当然映画が見たくなり『寅次郎 相合い傘』を借ります。
 リリー(浅丘ルリ子)の背負う悲しみや、たくましさは寅さんとお似合いでも、「オレじゃあ、ダメなんだよ…」の吐露に寅の愛情が感じられます。


追記──欧米から「紛争地域」と見られる「東アジア」

 ニュースで知ったそんな評価に、目から鱗がポロポロ……
 外交につまずく日本以外にも、クーデター、国境や島の領有権等で隣国同士がにらみ合う問題など盛りだくさんの地域は、「野蛮な地域」と見られても仕方ないばかりか、北朝鮮からはロケットが飛びますから、中東地域の状況と何ら変わりません。
 近ごろの中国の行動を、ロシアに通じる共産主義的「自分勝手さ」と見てましたが、「集団的自衛権」騒ぎから、以前の日本の「帝国主義」を想起するようになります。
 眠りからさめた日本が爪を研ぎ始めれば、周辺地域がざわめくのは当然です。
 情報分析による避けられない選択としたら、ちょっと怖い気がします……


追記──延長50回はおかしいでしょ!

 全国高校軟式野球選手権準決勝、中京高校vs崇徳高校は4日間の死闘を強いられ、「可能性としてはあるが、あり得ない」と放置された、ルールの犠牲になりました。
 もはや高校生の競技ではなく、プロの見せ物でも自分の体を考えたら、途中リタイアするような状況です。
 その試合に勝った中京が2時間後のダブルヘッダーとされた決勝で勝ったからいいが、負けていたら目も当てられません……
 高校球児の熱戦を応援するのはいいが、社会は未成年の彼らを守る義務があるはずです。


追記──壊れた父の状況報告

 相変わらず話しは通じないも落ち着いたようで、デイサービスに足を運ぶようになりました。わがままなので、てこでも動かないと思っていましたが、楽しみに通うようになり、面倒を見る母・妹の負担が軽減され、ひと安心というところです(わたしも呼び寄せられる回数が減りました)。