2013/04/29

「路地の魔法」に覚える郷愁──門前仲町

2013.4.14【東京都】──大江戸線を歩く_1

 今回から都営地下鉄「大江戸線」沿線を歩きます。
 以前越中島を歩いた際、付近は門前仲町の生活圏内と知り足を延ばそうとするも、またの機会にゆっくりと考え「ならば次は大江戸線沿いを歩く?」がきっかけです。
 自分も含め、新宿〜汐留間は乗ってもその先は…… という方への案内が目標です。

 本来は最寄りの大門駅からスタートですが、大門汐留築地市場勝どき月島は先日歩いたので、門前仲町駅からスタートします。


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門前仲町(Map)

 門前仲町の街灯上には「纒:まとい」が飾られます。
 派手ではないので、地元の人々が「祭りまであと○○日」と、街灯を見上げて発奮するための存在、という気がしてきます。

 先日歩いた永代橋の対岸に立つと、江戸市中からは隅田川の「川向う」ですが、自分には下町側の意識の方が理解しやすいようで、川向うから都心を見上げる方が「地に足が付く」ような印象を受けます。

 でもこの日を振り返ってみると、町に降り立った瞬間から「路地の魔法」に引き込まれていたようです……

 本日のメインである「名も無き路地」に足を踏み入れた途端、緊張が解き放たれ、またたく間に風景にとけ込むような感覚があります。

 住宅の建て替えはあるも、以前と変わらず間口の狭い土地で窮屈そうに並ぶ家並みに安どするようです。
 人の尺度の基本は「身の丈」ですから、家・敷地・道路のサイズが、両腕を広げた単位で採寸できそうな場所には親近感が持てる、という説明で伝わるだろうか?

 そんな心象は海外の人も同じようで、全国展開らしい「Sakura House:海外の方向けのシェアハウス─バス・トイレ共同」が立地します(右は別の建物)。
 また、「明るいうちは外出禁止!」のオカマが平然と歩く、下町の居心地のよさに甘える連中が群がる「猥雑な町」の印象は、江戸時代と変わりないようです……


 門仲らしい辰巳新道の横丁で想起したのが、映画『異人たちとの夏:1988年大林宣彦監督 山田太一原作』で、脇道から故人がひょっこり顔を出したら「久しぶり!」「飲もう!」の呼吸で、ちょいと一杯行けそうな幻想を抱きます。

 気軽そうな横丁でも個性があり、こちらも「横丁モード」にスイッチを切り替えます。
 最初は周囲の様子をうかがいながら、盛り上がっても飲み過ぎるな、程度のものですが、店・客共に「To be continued…」程度がころ合いなんでしょう……


深川不動堂(Map)


 上は2011年完成の本堂で、外壁に梵字(ぼんじ:不動明王御真言)の装飾があります。
 読めないせいでカッコイイと感じるにしても、金文字以外は文字が重なるため判別できず、カラスの羽が舞うように見えます(それが狙いだったりして?)。

 本堂内の護摩祈祷では、密教系(真言宗:空海)の派手なパフォーマンスで大太鼓が打ち鳴らされ、全身を揺るがす振動で邪気が払われるような心地よさがあります。
 読経もパーカッション付きの「音楽」と考えると、心の支えを求める方にはとても魅力的に響き、心をとらえるのでしょう。


富岡八幡宮(Map)


 富岡八幡宮の祭礼で、江戸三大祭りのひとつともされる深川祭ですが、江戸時代には見物客の重みで永代橋が崩れ落ちたとの記録があります。
 また近年では、日本最大の神輿を作ったものの大きすぎて表に出たのは一度きり(1991年)で、それ以後は展示品とされる大神輿があったりします。
 氏子衆は「粋ってのは、花火みたいに上げりゃ気が済むもんよ」と納得し、「ビジョンの欠如」などとは考えず、「日本一に、何か文句あるか?」なのでしょう……

 この地で思い浮かぶのが、東京大空襲後の焼け跡を訪れた昭和天皇の「これで東京もとうとう焦土になったね」の言葉です。
 その思いは、これからの天皇も心に留めてもらわねばなりません……

 注:ここはフジの花の名所ではありません(近くでは亀戸天神が有名)。


 上は、富岡八幡宮近くにある「弾正橋(だんじょうばし)」で、日本最古の鉄橋として国の重要文化財に指定されます。
 カメラの背後にはマンションが並びますが、八幡宮側(橋の奧)のこだわりがあるような日本家屋に、ホッとしたりします(店舗的な建物か?)。

 以前付近には、京都の三十三間堂を模した建造物があったそうですが、火事の多い江戸では灰に帰した後、再建されることはありませんでした。


 奧で大通りに接する路地で遊ぶ姿。
 広場と違い路地遊びでは近所仲間と遊ぶため、路地仲間とのつながりが強い地域ほど、将来の町内会活動が活性化しそうに思えます(少子化から女の子も実家に残りそう)。
 成長に伴い、この先に出会う仲間たちが世界を広げてくれたとしても、路地で近所の仲間と遊んだ記憶は「社会の原点」として忘れられません。
 「何が楽しい?」の問に「路地遊びが楽しい」の答えでしょうから、次の世代にも伝えたい思いは受け継がれることでしょう。

 さまざまな理由で以前の景色が失われてしまいますが、奇跡的に記憶と符合する景色と再会した際には、「残して欲しいなぁ」と思う年齢となりました……

2013/04/22

国境は越えて知るもの──羽田国際線ターミナル

2013.4.7【東京都】──「ベイエリアウォーク 27」

 この春は、冬と夏の気候のせめぎあいにいたぶられた印象がありますが、もうゴールデンウィークですし「いい加減にしろ!」と言いたくなります。
 これも温暖化による気候の極端化とすると、春と秋が無くなってしまうかも……


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整備場駅周辺(Map)

 テーマは前回に続き「初めての駅に降りる─Part 2」でもいいのですが、この駅では別の理由を見つけました。
 「日曜午後の駅に集う若い女性たちを追う!」ってありでしょ?
 リクルートスーツの女子大生と思われる集団が駅で待ち合わせをしています。
 スチュワーデス関連の採用窓口でもあるのかと……


 以前航空機の整備をしていた後輩の話しから「油臭い」イメージを持っていましたが、表向きは結構整然としている印象を受けました。
 空港拡張工事で格納庫は新整備場に移転するも、この駅の利用者数推移(ほとんど勤務者)からは、変わらず業務が行われるように見えます。

 上は気象用ドップラー・レーダー(ドップラー効果の測定から、空港付近のダウンバースト(下降噴流)を監視)。
 レーダー撮影で女性集団から離されるも(下)、ストーカーとされない距離感で……
 場所柄とミスマッチの女性は、隣の天空橋駅からも歩いてきます。


 彼女たちが向かうのは「パンダ・フライト・アカデミー」という、2011年設立の全日空系乗員訓練専門会社で、LCC(ローコストキャリア:格安航空会社)のパイロット訓練を行う施設(第一号としてピーチアビエーションの訓練が行われた)。
 メジャー2社のように自前の訓練施設を持てないLCC向けですが、海外にも売り込んでいるらしい。

 肝心のCA(キャビンアテンダント:客室乗務員)に関する記述はないので、パンダ…社への就活かも知れません(CA養成施設は以前から他に数多くあります)。
 やはりスチュワーデスは、入社後にいじりながら育てるんですよね「教官?」。


羽田国際線旅客ターミナル(Map)


 構内で目にとまったのが、カウンターの構造です。
 国際線では、さまざまな国の人と接し時間を要するため(荷物も多い)、成田方式の「島」構造で窓口を増やし、チェックイン業務をさばく対応策のようです。 
 でもそのためには、床に穴を開け立体的コンベアーを設置したり、増えた窓口の人員配置などを考えると運用費はけた違いとなるため、国内線では見られないのでしょう。

 利用機会の多い国内ローカル線では、出発ギリギリまで乗客を待たせ「まだぁ〜?」とじらせた後に、搭乗案内で「急いでください!」と詰め込むことで、少ない人員でさばく効率化を図っていました。

 ガキの時分、鉄道や飛行機を熱い視線で見つめるのは男子と決まっていましたが、いまどきは運転手やスチュワーデスを夢見る女子もフェンスにかじり付くようです。
 お父さんも「娘がスチュワーデスに?」なんて想像するとだらしない表情になりそうですが、応援はしっかりしてくれるでしょう!

 国際線ターミナル訪問は約20年ぶりで年齢とともに海外や国際空港に対する意識も変わったと気づかされます。
 20〜30代には「出・入国審査をパスすれば自由!」の勢いがあり、実態は見えなくも「国境は越えていく存在」でした。
 それが国外に出なくなった途端「入管、変なの入れるなよ!」と、関所の役割を期待する守りの姿勢になります。
 でも海外経験があれば、訪問先での厚意に対する感謝を忘れず、いつかお返しをと考えることでしょう(迷惑をかけた記憶ばかり……)。
 そんな草の根外交から芽ばえる「お互いさま」交流に、国際平和を期待するビジョンは失うべきではありません。
 これまで以上に、海外とのかかわりを強いられる現代の若い世代には、国境を越えた先に「何を描けるか?」が求められるのかも知れません……


新整備場駅周辺(Map)


 上は東京モノレール新整備場駅で、一般人も乗降可能で飛行機を間近に見学できます。
 空港内にある安全地帯のようで、目線の高さで撮りたい願望をかなえてくれます。
 わたしは航空機フェチでなく、乗ってどこかへ行きたい方なので「遠出はごぶさたでしょ?」と誘われたような気がして、気持ちがモヤモヤしてきます……

 3年ぶりのJAL入社式で新入社員が紙飛行機を投げていましたが、まずは希望を持てる「つばさ」として復活してもらいましょう。
 経営破綻に手を差し伸べたのは政治家ではなく、国民であることを踏まえた「サービス」に期待したいところです(敵対心はありませんが、わたしはANA派です)。


 東京ゲートブリッジから羽田空港までを、半年間かけて歩いた「ベイエリアウォーク」は今回で終了です。
 埋立地・再開発地には新しい施設がある一方で殺風景な場所もありますが、どこも「空が広い」の実感からリフレッシュできるので、足を運んでみてはいかがでしょうか……


追記──防犯カメラの威力と、それを無視する犯罪に対する無力さ

 アメリカのボストンマラソン爆弾事件の卑劣さには言葉を失いましたが、容疑者特定の早さは防犯カメラの威力によるのでしょう。
 近ごろ日本で起きた事件では、「繁華街や交通機関にある防犯カメラを避けた」と語るように、抑止力にはならずとも心理的に追い詰める効果があったと言えます。
 しかしボストンマラソン爆弾犯は、防犯カメラの存在を無視して犯行に及んだように見えました。犯罪行動が目的とされては防ぎようがありません。
 日本では早期逮捕は「防犯カメラのおかげ」と感じるも、アメリカでは「カメラでは犯罪を防げないから、銃は必要なんだ!」となると、銃携行の生活になってしまいます。
 ですが、銃弾を数百発と爆弾を所持する相手には太刀打ちできません……

2013/04/15

都市生活を下支えする──昭和島、京浜島

2013.3.16【東京都】──「ベイエリアウォーク 26」


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昭和島(Map)

 東京モノレール誕生は1964年東京オリンピックの年で、以来バスやタクシーをのぞく羽田空港へのアクセスを独占しました。
 空港拡張工事により、1993年ビッグバード(現在の国内線旅客ターミナル)がオープンすると、1998年に京浜急行線が乗り入れてきます。
 市場独占企業は競争に弱いとの通説通り(?)、2002年JR東日本傘下とされます。
 その成果なのでしょう、2007年昭和島駅に追い越し可能な待避線が完成し(乗り換え可能な施設でも通過していく)「快速」の運行でスピードという武器を手にします。
 ライバル京急もスピードを意識するあまり、「蒲田飛ばし:京急蒲田駅通過」のダイヤ改正では、地元大田区にこっぴどくたたかれました(現在停車本数は増加中)。


 現在羽田空港の利用者は空港 or 区間快速に乗るため(各停は3本に1本と少ない)、通過駅に目は向かないかも知れませんが、各駅停車だけの時代には「車両基地のある駅」程度の認識を持っていました。
 駅に隣接する引き込み線で目にした軌道分岐の記憶には、見慣れない遊園地の乗り物のような新鮮さがありました。
 一般鉄道のポイントに赤信号で進入すると、進路をふさいだ線路に「乗り上げ」ますが、ここでは「落ちる底」が迫るだけに、ストッパーの有無にかかわらず事故率は低そうに思えます。
 ヘビのような切り替え動作から(リンク動画で通過待ちと乗務員交代の様子が分かる)竹製のへびおもちゃの動きを想起するも、これって通じるだろうか?


 これまでスピードが速いと感じるのは、見下ろす景色とゴムタイヤの振動のせいと思っていましたが、最高時速100kmと聞き驚きました。
 どこでも目いっぱい走ろうとする京急線の同区間最高時速は110kmとされるので、モノレールの速さは本物のようです(踏切が無いので、運転手の脇見が多い気がします)。

 駅を認識しても、旅行に向かうウキウキ気分の目には「この駅に降りることはないだろう」と映った昭和島周辺を歩きました。が……


 駅では盛り上がったものの、この埋立島には羽田鉄工団地(中小鉄工所の集まり)と下水処理場しかなく、どちらも中をのぞけません。

 森ヶ崎水再生センターは日本最大規模とされ、大田・品川・目黒・世田谷・渋谷・杉並区など、23区面積の約4分の1に当たる地域の下水を処理しています。
 上は処理水の放流口に海鳥が群がる様子で、魚のエサが発生する→魚が集まる→鳥が群がるの連鎖と考えると、処理施設の放流水に理由があるのでしょう。
 放流水の温度が高ければ、プランクトンが局地的に繁殖する状況は説明できますが、妙な物質は流れ出ていませんよね?
 処理で生じたスラッジ(汚泥)は、城南島の南部スラッジプラントへ運ばれると知り、ここも放射線の影響があったと想像されます。


京浜島(Map)

 羽田空港の新・旧管制塔が重なる絵はここでしか撮れないと思ったものの、これでは輪郭が分からないと反省。
 手前の旧管制塔は1993年ビッグバードと同時に稼働しますが、2001年再拡張計画(D滑走路建設)において、滑走路全域を見渡す新管制塔が必要とされました。
 2010年新管制塔に業務が移され、実稼働17年程度で「遺産」となります(現在のバックアップ機能も大切です)。
 空港庁舎と一体化した旧施設には「練られたデザイン性」を感じますが、新管制塔には「高さだけが要件」の印象があります。
 116mの高さは世界で3番目、国内では最高層。


 京浜島北部には、大田清掃工場、不燃ごみ処理センターなどの施設があるため、周辺には産業廃棄物処理業者が並びます(上はクレーン車の駐車場)。
 人けや騒音は無いも工場は稼働しているようで、搬入待ちトラック運転手のうんざりした様子から、待ち時間の長さがうかがえます。

 羽田空港に近い場所柄、送迎付きの駐車場は人気があるようで、3〜4階建て立体駐車場への出入りをポチポチ見かけます。

 ここは工場島なのに2名の住民登録があるらしいが、郵便局だけでコンビニも無さそうな島は、生活の場という環境には思えません(登録だけか?)。


 前回城南島から撮った羽田空港進入灯の別アングルで、撮るモノが無く困った写真。
 ここには飛行機見学用のテラスもありますが、この日は風の影響かこちら側から離陸するため、はるか手前で空に上がってしまい迫力が感じられません。
 それでもパラパラと人出があるので、隠れた名所のようです。
 島内は立ち入り禁止の場所が多いのですが、海から臨めればいい絵が撮れそうな「レジャーボート造船所」などがあったりします。


追記──アウンサンスーチーさんの輝き

 先日訪日した彼女の姿に「うわっ、キレイな人:アジアンビューティ」と改めて驚きました。苦労されてきた方ですから、その輝きは内面から放たれるのでしょう(吉永小百合さんと同年代)。
 国際社会から民主化の進展が認められるようになったミャンマーですが、まだ山積する課題を平和的に改善しようとする彼女の視線は、軍政に後戻り不可能な「民主化の成果を示すこと」を見据えています。
 民衆の期待が彼女を奮い立たせ、その力を自分の活力に取り込むことから輝きが生まれるのでしょう。
 ミャンマーという国に関心が持てるようになったのも彼女の力によりますし、市街地に並ぶ金色に輝く寺院を、一度目にしたいと感じさせられます……

2013/04/08

進入灯を目にした安堵感と緊張感──城南島

2013.3.16【東京都】──「ベイエリアウォーク 25」


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地図下側は羽田空港



都立東京港野鳥公園(Map)


 野鳥カレンダーではアンダーらしいも(鳥の数は少ないように見える)暖かさのためか、バズーカ砲のような望遠レンズを構えるマニアが繰り出しています。
 生態観察に魅了されると、ベストショットを求めて装備が巨大化するようで、趣味とはいえどれくらい投資しているのか聞いて、あきれてみたい気がします……

 先代の一眼レフカメラを売った際、本体はわずか数千円でも、レンズはそれなりの値段で買ってくれましたから、元は高くても遊んだ分を差し引いた程度で買ってくれれば、納得できるのかも知れません。


 わたしのカメラではこれが限界です。
 レンズは無くとも楽しめる鳥のさえずりに耳を傾けますが、四方からトラックの騒音が押し寄せてきます。
 人間の耳では無理ですが、騒音から「敵の音」を聞き分ける能力があるので、こんな地でも羽を休められるのでしょう。
 中原街道に面した前の住まいの就寝時に、オートバイのエンジン音がギアチェンジで変わる様子を耳で追ってしまうわたしでは、とても休まりません……


 武器庫のようなこの施設は、トレーラーのシャーシパーキングです(コンテナを乗せる台車で、それぞれ右奧に後輪がある)。
 港湾施設周辺には広大な「シャーシプール:駐車場」が確保されますが、利用料金30分100円などとされると、大口利用者は空間利用を考えるのも当然でしょう。
 港に週末は無いようで、土曜日でも頻繁に出し入れが行われています。


城南島(Map)


 上は中防(中央防波堤埋立処分場)へと続く「臨海トンネル」の入口。
 羽田付近〜新木場の抜け道としてトラックは多いも、首都高ではないため都心を抜ける車は首都高湾岸線を利用するようですが、将来は高速道路を建設するのだろうか?
 でも下写真のゲートブリッジにはそのビジョンが感じられないため、新設するのはかなり大変そうに思えます。

 ベイエリア散歩スタートの新木場側から羽田側まで、半年以上も道草しました……


 東京港内で大型貨物船を砂浜越しに見られる場所は、珍しいのではあるまいか(右写真の対岸は中防)。
 映像で見たスエズ運河(エジプトにあり地中海と紅海を結ぶ)のようで、砂や泥の海底でもしゅんせつすれば目の前を大型貨物船が航行できるのかと、当然とは言え新鮮な印象がありました。

 臨海トンネル入口左側の城南島海浜公園に接する地に、南部スラッジプラント(下水汚泥を焼却・減量化する施設)があります。
 ご想像の通り原発事故後、付近で高い放射線が測定されるも、通常通り中防へと運ばれたのでしょう。
 各地焼却場の放射線騒ぎから、中防でブルーシートに覆われますが、もう「埋立ちゃいました」なのだろうか?
 将来への負の遺産とならねばいいのですが……
 

 飛行機内で目的地空港の進入灯を目にすると「着いた〜」の安堵感はありますが、その先に最も緊張する瞬間が待っています。
 趣旨は分かるも機内アナウンスの「最終着陸態勢:final approach」の響きから、「最期」を想起する人は多いのではあるまいか?
 いくら空の旅に慣れても、1982年「日航羽田沖墜落事故:逆噴射の衝撃」の数日後に搭乗し、客室の不安が破裂しそうなほど膨張する中(全員が落ちたら…と考えていた)、無事の着陸で機内から拍手がわき起こったことを、忘れることはありません……


追記──朝ドラ「あまちゃん」スタート!

 「吉本の番組?」のように軽快なテーマソングのおかげで、目覚めがよくなりました。
 序盤なのでまだ主人公(アキ役:能年(のうねん)玲奈)は輝けないも、「実体験?」の説得力がある母親役キョン2の貫録に注目!
 「若き新人よ、伝説のアイドルから盗めるモノがあったら、何でも持ってけっ〜!」のような、スカッとする演技が見事です。
 別のトーク番組でも、言葉に自信が感じられ「いい女になったなぁ〜」と……
 唯一の不安材料は、これまで宮藤官九郎(クドカン)脚本のストーリー展開の速さに着いていけなかった(納得できない)印象か?
 序盤なのでまだギスギスするも、画面には明るい空気感があるので「じぇじぇ!:驚きの表現」っと楽しめそうです(じぇじぇ!って、はやりそう)。

2013/04/01

運河のビーチでリフレッシュ──平和島、大森

2013.3.9【東京都】──「ベイエリアウォーク 24」

 この春は、梅の季節がとても寒く、桜の開花期には一気に暑く(?)なったかと思えば、満開の夜桜見物には寒くなる、奇妙な気候という印象があります。
 そんな一時的な暖かさに乗せられ、クリーニング店の「3月中なら3割引」に冬物を全部出してしまい、春物を重ね着してしのいでいます。安かったけど、まだ寒いじゃん……


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大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森(Map)

 右は大田スタジアムに隣接する物流センターの螺旋スロープで、付近には同様の建物がいくつもあります。
 大井ふ頭という首都圏物流の拠点(船のふ頭、鉄道の貨物ターミナル+羽田空港が近い)に隣接するため、巨大倉庫や中・小規模のテナント需要があります。

 脇にポツンとあるコンビニは、公園利用者、倉庫職員やトラック運転手がターゲットでしょうが、トラックに路上駐車されたら大迷惑という気がします。
 それでもトラックの運ちゃんは、取り締まりの少ない場所では「わりい!」と、気軽にトラックを置き去りにしそうです……

 球技場で行われているラクロスは、勝手に女子だけの競技と決めつけていましたが、そういえば前の住まいに近い多摩川河川敷でも見かけましたっけ。
 クロス(先に網の付いたスティック)を抱える女子の姿は絵になりますが、間近で見ると結構激しい競技です。
 そこに男子部がやって来ると「お前らもやるの?」と、一瞥だったこと思い出しました。

 河川敷や土のグラウンドはホコリっぽいので、この球技場は天国のように感じているのでは?
 男子のプレーは激しいので、痛そうです……

 スポーツの森は、陸上競技場×1、球技場×2、野球場×6、テニスコート×14、ゲートボール場×2を有する巨大運動公園で、右の「照明灯の森?」(何本あるのか)の印象からも、充実した設備の様子が見て取れます。

 近ごろサッカー施設が増えましたが、数では現在も野球愛好家の多さ(=年配者の元気さ)が分かります。
 最初の野球場で目にした年配のピッチャーが、結構いい球投げる様子に驚きましたが、公園を一回りして戻るとスタミナ切れで「お辞儀したボール」に……
 ピッチャー不足のチームはいくら打たれようが、みな「先発〜完投」です。

 以前草野球をやっていた時分も必ずギャラリーがいて「へっぽこ野球を見て楽しいのか?」と思いましたが、見方はさまざまであることを実感しました……
 草野球は永久に不滅です!(とても楽しそうでした)

 追記:長嶋さんの国民栄誉賞の理由に「なぜ生前の大鵬にあげなかった」が含まれるところに、国民のご機嫌取りと「いつ逝かれても結構ですよ」の、「やりゃあいんでしょ?」のやっつけ感を覚えました(松井はおまけ)。


平和島競艇場(Map)


 競艇場はここに限らず初めて足を踏み入れました。
 競馬場には緑地など一般解放される施設がありますが、ここには何のサービスもなく「無用の者入るべからず」の閉ざされた印象を受けます。
 町中の「下を向いて歩こう:スマートフォンを見る姿」以上に、新聞に首を突っ込みうなる姿ばかりでは不健全にしか見えません(アッキーニャはイメージアップ用の宣伝)。

 使用エンジンは「ヤマハ限定」というのも驚きですし、軽量船レースのためゲートは小さく「犬小屋が並んでるよう」に見えません?(上写真)
 宮杯が無いから総理大臣杯とするのも妙ですが、ドン笹川良一が岸信介、佐藤栄作に要請したとあります。そもそも、総理大臣がギャンブルを奨励する必要があるのか?


 ルールは分かりませんが、大時計の針に合わせたスタートがレースを左右する? らしく、押さえておこうという写真。
 見聞にはなりましたが、受け入れられるものは何もない異次元空間でした……


大森ふるさとの浜辺公園(Map)


 2007年開園当時は「どうなのよ?」の印象でしたが、歩いてみると「掃きだめに鶴」のように「運河に憩いのビーチ」と言えそうです(大田区立の海浜公園)。

 お台場海浜公園の神津島から運んだ白砂のまぶしさは無いも(川などの影響か?)、近所に裸足で走り回れる砂浜があれば、遊泳禁止でもテンションは上がるようです。
 周囲の景色を隠すフィルターを持てれば、広い空の下にある砂浜なので引き寄せられる気持ちは分かります。

 公園内の「大森 海苔のふるさと館」では、埋立前に盛んだった海苔養殖の歴史に触れられます。
 現在大森産の海苔はありませんが、「海苔を買いましょう〜」を勘違いされたのでは、地元がカチンと来るのも当然です…… 女優が宣伝する大森屋海苔店は大阪の会社で、この地とは無関係(まんまとだまされました)。


 ひとつ上の写真、女の子たち奧にある施設が気になり立ち寄りました。
 船舶の修理を行う大田区の防災施設で、人を運ぶ船も係留されます。
 災害時の緊急物資搬入拠点とされますが、帰りに間違って施設のアプローチ道路を歩くと、軽自動車とすれ違うために人の方がよけるような道幅しかありません。
 これで緊急時に大丈夫なのかしら?

 そんな建設基準の根拠を知りたいと思うのは当然で、「公開している」と胸を張る役所連中と「そんなの知らない!」庶民との、意識ギャップの意見交換の場が必要なのでは? という気がします……



追記──「球春」という季節感

 例年より早い「球春」と感じたWBCですが、春の甲子園やプロ野球が開幕すると「春の訪れ」を実感できる気がします。
 今年は開幕戦からフレッシュな顔ぶれを起用する球団が多く、関心が高まります。
 サッカー日本代表が若手を起用するように、プロ野球も若手起用に積極的になったのは「国際化」のあらわれかも知れません。
 若手を育て、メジャーリーグへの移籍金で稼ぐ(人身売買?)うま味に気付いたのかも知れません。
 異論もあるでしょうが、フレッシュな選手デビューのチャンスが広がり、活性化するとの観点からは、楽しみが増えるように思えます。