2012/09/23

Port of TOKYO──豊洲、晴海

2012.9.15【東京都】──「ベイエリアウォーク ③」

 初めて歩く町なのでそれが特徴的に見えたらしい、といい訳しつつもセンスの悪さでしょう、この日は金属質の対象ばかり撮ってしまったと反省です……


より大きな地図で ベイエリアウォーク を表示

豊洲(Map)


 ここは関東大震災(1923年:大正12年)の瓦礫処理に埋め立て地とされた地域で、1937年に豊洲とされます。
 1943年隣接の佃(月島)で創業の石川島造船所(現IHI)が、この地に大規模な造船所を建設します。
 業務内容に軍艦等も含まれるため、隔離された埋め立て地は都合良かったのでしょう。
 2002年東京都の都市整備事業で前面の運河に橋が架けられることとなり、工場閉鎖に追い込まれます。

 都は「交通至便なベイエリアから大きな工場は出てってくれ、跡地は居住空間として町を再構築をしたい」と決断します。

 1枚目は現在「アーバンドック」とされる、旧造船用ドックを縮小利用し、水上バスの乗船場とされる様子。
 跳ね橋とクレーンは、ライトアップで雰囲気を出すための飾りです。
 以前クレーンを見かけた横浜は現役のため近寄れませんが、右は下から見上げた光景。

 2枚目は、日の出桟橋でも見かけたステンレス製カーゴが遊覧船のチケット売場とされる様子。
 塩害に強く目立つので、港付近で使いたい気持ちはよく分かります。

 これは江東区豊洲と中央区晴海を結んでいた、東京都港湾局専用線(晴海線:廃線)の晴海橋梁です。
 地図を見ると東側の塩浜地区に、当時接続されたであろう越中島貨物駅(JR貨物の定期貨物列車は1997年に廃止)がありました。
 現役当時の豊洲には石炭埠頭があり、物流の基幹を担っていたようです。

 廃線となった1989年以降も撤去されないのは、将来的に人道橋や公園として活用のためとされますが、計画は止まったまま老朽化だけが進んでいます。


晴海アイランドトリトンスクエア(Map)


 旧公団晴海団地(晴海高層アパート)地区の再開発で、オフィスビル+複合商業施設+住居が建設されました。
 以前『海のトリトン』というアニメがありましたが、トリトンとはギリシア神話の神で、海神ポセイドンの息子にあたり、上半身=人間、下半身=魚の尾という、人魚のような造形だそうです。

 上写真の青いタイルが敷きつめられた池(そこに架かる朱色の橋)や、右のリズムに合わせて水滴が吹き出す噴水などが、海をイメージさせる表現のようです(彼女は地面から飛び出た水滴をペットボトルでキャッチしている)。

 右の構造物は遠くからも気になり、「渡り廊下?」では地震で落ちそうな施設に見えます。
 これは連結制振ブリッジ(地震の揺れを低減する制振装置)で、昨年の大震災時の動画がありました。
 あの程度の設備でビルを支えられるのか疑問ですし、連結方向と90度の横方向にそれぞれ逆の動きをされたらちぎれそうに見えます。

 今だから言える、撮影者に「もっとちゃんと撮れよ!」ですが、ビルのきしみ音のすごさや、大きくゆったりとしたビル特有の揺れに冷静さを失うのは当然だろうなぁ……
 このような市民からの映像分析を、現状の課題克服〜改善につなげてほしい、と思ったりしました。


晴海客船ターミナル(Map)


 晴海客船ターミナルは1991年にオープンしますが、93年開通予定のレインボーブリッジによる高さ制限のため、クイーンエリザベスなど巨大客船が寄港できないことを念頭に建設された、お飾り的な客船ターミナルになります。
 売りも南極観測船「しらせ」の出・帰港程度しかなく、入港予定表を見ても9月は1隻だけの無駄な施設で、閑散とする中でおっさんが昼寝して涼んでいたりします。


 ですがメインラウンジからの「前面に東京港が広がり、その上にレインボーブリッジが架かる絵」には、こんな景色が見られる施設を作りたかった意図が明確に伝わり、施設の英語表記「Port of TOKYO」をスーッと納得させる光景として存在します。
 夜景はキレイだろうと調べれば、横浜に負けず「夜景に酔っちゃった…」という光景のようです……
 そう考えると、港湾地区内での施設建設のために、客船ターミナルを装った? と思ったりします(以前付近には「東京(晴海)国際見本市会場」があり、東京モーターショーなどでにぎわいました)。

 都心にはとても近いのですが、交通手段は車しか無い上、銀座周辺の渋滞を抜けねばなりません。


 ここは、映像メディアの撮影によく利用されるようで、東京都としても近ごろ地方で盛んな「地域フィルムコミッション:いいロケ場所紹介しまっせ!」の売りが欲しかったのかも知れませんが、確かにここは受けると思います。
 この周辺と、前回の葛西臨海公園を組み合わせれば(安いドラマなら)雰囲気できちゃいそうです……

 季節変わりの「大気の不安定な状態」にビビリながらも、おかげで背景に表情豊かな雲が写ってくれました。
 ウオーターフロント開発のトレンドの印象は、いくら高層マンションを建てても、海では泳げませんから「海の子」は無理ですが、海側の空の広さには開放感があるので、都心でも子どもたちを、少しはおおらかに育てられるような気がしました……


 お彼岸過ぎに月遅れの夏休みが取れたので、少しリフレッシュしてきます。
 次回のアップは週後半になるかと思います。


追記──妹の件

 検査の結果、今後長引くものではないとされ、ホッとしているところです。
 ご心配をお掛けしました……

2012/09/17

空がひろっ──葛西臨海公園

2012.9.8【東京都】──「ベイエリアウォーク ②」


より大きな地図で ベイエリアウォーク を表示


葛西臨海公園(Map)


 ここはJR線駅前広場にある噴水で、細かいミストが立ちこめる中にうごめく陰が見えます。中心部に座り込み、両手を頭上で組み瞑想か修行をしているように見え、「レインボーマン」でもいるのか? と目を凝らします。
 少年がひとりで遊んでいるのですが、はしゃぐような行動ではなく「儀式」でも行うようなゆったりとした動作で、ミストの中を動き回ります。
 思い起こせばガキ時分に、勝手な思い込みの結界を周囲に想定し、その内側(自分の領域)で何かやっていた記憶がよみがえります。
 あれが「自我の目覚め」だったのか? と、彼を見て思ったりします……

 これは東京都葛西臨海水族園のガラス張りのドーム天井です。天上まで空が見えますが、その分暑いのは当然です。

 近ごろのオフィスビルはガラス張りの建物がはやりで、売り文句は「ガラスの遮光・断熱効果を格段に高めたため、自然光を取り入れられる」でも、窓際は見た目の通り暑くなります。
 結局ブラインドを下げても内側なので、室内の断熱にはなりません。
 四季で日差しの高さが大きく変化するこの国に以前からあるビルには、必ずひさしがあり有効に機能していました。

 「エコ、エコ!」と騒ぐ割に「自然志向は高コスト」の認識があるのは、目標とのギャップが大きいわけで、まだまだ大きなビジネスチャンスがあることを意味します。
 「原子力発電所ゼロを目指す」方針に雇用を失うと反発する自治体は、早々に次世代エネルギー施設の雇用開発に目を向けねば、乗り遅れてしまいます。
 それは、市民が望んでいることです……


 今回も「泳ぐマグロ撮影」に挑みますが、暗さと動きの速さでNGでした。
 以前お伝えしたように、当初ここの売りだった「マグロの回遊水槽」は仕切られたままですが、群れの中にいる巨大マグロの姿に目が止まります。
 大きくなったマグロをここに入れても適応は難しそうなので、この環境で成長したと思われます。
 そのノウハウを、是非マグロ養殖の現場で生かして! と夢が広がります。
 ここのマグロはおいしそうに見えないので、味の追求という+αの研究も期待しています!

 上はジャイアントケルプ(コンブの森)で暮らすさかなたち。


 子どもたちはサメやエイに触れようと乗り出しています。
 小ぶりなので恐怖も感じないのでしょうが、「映画『ジョーズ』を見せたろか!?」などから、経験を重ねていくのでしょう。

 わたしは青春期までサメ肌とされるザラザラな肌で、仕方なくも多少のコンプレックスを覚えていました。
 初めてサメに触れたとき、あの硬い皮に例えるなんて「冗談だろ」と感じたものの、いま考えると「悪意」が込められた「いじめ」や「差別」を助長する表現にも思えます。
 いつのころからか、そんなことも忘れ(忙しくて気にしてられなかったのか)気付いてみれば、吉瀬美智子並みのスベスベ肌に!(自分ではうれしいもので、スミマセン……)


 海を隔て隣接するディズニーランドへの対抗なのか、ガラスドーム前のミストパフォーマンスですが、霧の後に誰も登場しないのは仕方ありません……

 近ごろ「ミストで涼しさを」のサービスを目にしますが、台所の水あか対策を考えると管理が大変そうに思うのですが、何か特別な技とかあるのだろうか? ちょっと、調べてみたくなりました……


 毎年のことで分かっているはずなのに、毎年必ず初見時に声を上げてしまう「うわぁ〜、もうコスモスの季節!?」の驚きの声を上げた絵です。
 季節は着実に移りかわっていますから、暑さにうんざりしているのは人間だけかも知れません。でも、もうひと息です……

 これは日本一の高さを誇る「ダイヤと花の大観覧車:命名はネオンが表現する形」の乗降場所近くからの絵ですが、何だか「イセエビ」か「サンダーバード4号」のように見えます。

 水族園はにぎわっていましたが、こちらは人もまばらです。
 日差しの強い季節のゴンドラは「天空の温室」でしょうから、汗を流すにはいいかもしれません。
 でもそれは昭和世代の発想で、今どきはエアコン完備だったりして? 乗ったことありませんが、だったらいいかも……

 恐竜に例えられるゲートブリッジですが、遠くからは「リボン」のようで可愛らしくも。

 先日人口減少試算を目にし、人が減ればゴミも減り、ゴミ処分場拡張のペースも右肩下がりになるのかと考えました。
 現在の認識では「ゴミが減る=良いこと」で、今後は「人口が減る=ゴミが減る」が加算され、減量分が評価されます。
 ゴミ埋め立て地『夢の島』のネーミングを現状の認識をひっくり返して考えると、ゴミの増加=人口の増加+生活が豊かになった→「夢のような社会」からの命名とも受け取れます。
 当時の「夢」は単純明快で「社会の歯車を回すこと」が求められましたが、現代では回っている歯車からのシフトチェンジを支障なく行えるかなど、以前とは比較にならないほどハードルが上がりました。
 団塊の世代は「けん引してきた」つもりでも、「次世代へのツケの先送り」とも受け止められ、社会活動での責任の取り方の難しさを感じたりします。

 公園の沖合いはヨット訓練水域とされることもあり、展望が開ける光景に驚きます(「海ほたる」の先まで見通せる)。
 海に面しているので陸地側の建物が気にならないことからも、都内でも「空がひろっ!」と感じられる開放感が魅力の公園です。


 公園の3分の1程度は鳥類園ゾーンとされ、野鳥観察ができる広いスペースがあります(上は観察用の窓)。
 今どきは、コンパクトなデジカメに望遠鏡を付ければ野鳥を撮れるようで、三脚にそんな機材を据えて野鳥を狙う様子に驚きました。
 あれなら荷物も軽そうです。

 わたしのカメラも6年ですからボチボチ考え時ですが、軽さが欲しいのでミラーレス(ファインダー無し)になりそうですが、太陽光が強い場所で液晶画面が見えない場合はどうするのか? の不安はあります。


 日が短くなったと思えば、もう秋の彼岸です(写真は5時半頃)。
 暑さももう終わりなので、遊び足りない人が夏をあきらめられず裸になっていたのかも知れません……


追記──原子力発電所ゼロを目指す方針

 原子力発電所「稼働ゼロ」の夏を、全国の人々の節電により危機を乗り越えた日本人には、「オレたちにはできる!」のポテンシャルがあると感じます。
 昨年の東北・関東限定でなく、全国に及んだ節電の意識は「生活は変えられる!」実感を植え付けた事でしょう(わたしも電気代が安くなり大喜び)。

 そんな国民意識の圧力が「原発ゼロを目指す」を引き出したのでしょう。
 これは大変重要な事で、これはきっと「現代のエネルギー革命」の開幕になりますし、その原動力となったのはこの時代に生きる日本人である、と胸を張れる時が遠からず訪れる!
 と、大きな希望を抱いています。


追記への追記──9月19日

 2030年代に原発稼働ゼロを目指すとした「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定が見送られ、「バンザ〜イ! 無しよ」に……
 何やってるんだろうと思いますが、自民党がダメで、民主党もダメな理由は、政党・官庁と産業界の癒着を断ち切れないところにありそうです。
 該当企業の従業員とすれば生活がかかるので理解できるとしても、自分たちの生活のために国民の声を切り捨てさせる権利はあるのだろうか?
 これには「裏があります」の証明ですから、出番ではない場面で登場せざるをえなかったフィクサー(黒幕)の嘲笑を、国民の力で沈黙させてやりましょう!

2012/09/10

京都の香りを求めて──江戸東京博物館

2012.9.2【東京都】

 東京周辺は訪問日の週末、近ごろよく耳にする「大気の状態が不安定」のため大荒れの空模様でした。
 さすがにベイエリアウォークはあきらめ、「まだ夏休みの宿題?」の子供にまじり両国の江戸東京博物館を見学です(結局傘は差しませんでした)。


より大きな地図で 山手線を歩く を表示

両国駅(Map)

 以前と変わらぬホームの姿に鎌倉駅のホームを想起し、装飾は少ないも歴史が感じられる駅舎を撮ってみたら、こんな絵に……
 光の加減と思いますが、何かCGのようで「現実の光景?」と疑いたくなる、しらじらしい色合いと組み合わせの絵になりました。
 手前から、両国駅、両国国技館、NTTドコモ墨田ビル、東京スカイツリー。
 わたしたちはまだスカイツリーの存在を実感していない面があり、「ここからも見えるんだぁ」の印象は、東京タワー誕生時の意識に近いのかも知れません(ここは近所です)。

 TVで力士の姿を目にする機会が増えたので、「今日初日?」と思ったら来週だそうです。
 幟の絵を撮りたかったと思うのは、八百長事件以降ダイジェスト版でも取り組みをちゃんと見るようになり、勝った力士の勝因を理解できるようになった、と感じるからでしょう。見るべきところが分かってきた気がします。


江戸東京博物館(Map)


 本日の目的は、どこぞやの駅で広告を見かけた「二条城展」の見学です。
 重要文化財レベルの撮影はNGなので、建物の絵を借りて感想を。

 京都二条城は、関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が上洛時の宿所として築城(1603年)したもので、洛内に天守を築き天皇を招きました。
 それはまた、1603年征夷大将軍の命を受けた家康が、都に御所への行列を行う館を持たない「田舎侍」という評判を、払しょくするための急ごしらえとも言えます。
 第3代将軍家光まで慣例(御所への行列)を踏襲するもその後は途絶え、第15代将軍慶喜の大政奉還まで二条城は歴史の舞台に登場しません。

 内容については転記もおこがましいので、展示の見どころを参照下さい。


 上リンク先の「二の丸御殿 平面図」にある、鴬張りの廊下(キュッキュッと鶯の鳴き声のように廊下が鳴る)は歩けても、室内には入れません。
 その室内の様子を間近で見たいというのが、今回足を運んだ動機です。
 しかし近くで目にできても横並びでの展示だと、今度は部屋の雰囲気が感じられません。主催者側も「そんな要望があろうかと!」VR(バーチャルリアリティ)の映像を見せてくれます。
 その映像では、周囲に展示される襖に囲まれた本来の空間配置(天井も含めて)が見て取れるので、立体的なイメージが膨らみます。
 現物+バーチャルリアリティの展示は、双方に対する想像力を喚起する面でとても素晴らしい相乗効果と感心させられます。
 公開映像を探したのですが、やはり限定公開のようです……

 展示作品に狩野派(かのうは:室町時代から足利家、織田信長、豊臣秀吉、徳川家などの御用絵師をつとめた一派。伝統+チョンの印象が好きではない)的な絵が多いのは当然でも、これだけの数が現存すると「迫力」になります!
 江戸の文化財は火事、震災や空襲で多くが焼失しました。同様に火事の多い京都ですが、文化財を守る意識が高かったと思われます。
 そんな、文化や歴史を守ろうとする「意識」に触れ、久しぶりに京都の香りに包まれるひとときを過ごしました……


 常設展示場では、この地に江戸という都市が開かれ、東京へと変遷してきた「都市文化」と、人びとの暮らしの移り変わりの様子を見ることができます。
 平安時代までの貴族社会から、鎌倉時代に武士が実権を奪い取りましたが、戦国時代が終わるまでは武士社会となっただけでした。
 江戸時代に入り世情が落ち着き、戦いの無い市中に町人文化が開花します。
 鎖国下でもっとも華やいだ江戸の庶民文化と、開国〜明治維新後のモダンな都市文化の紹介がここの売りになります(もちろん、関東大震災、第二次世界大戦〜東京オリンピック当時の様子も展示されます)。

 ひとつ上の写真は歌舞伎小屋「中村座(浅草)」の復元で、この日はマジックショーが演じられます。
 元は1624年猿若勘三郎(初代中村勘三郎)が京橋周辺に創設した芝居小屋で、江戸歌舞伎の始まりとされます。

 上は1926年(大正15年)に登場した、当時東京市内を1円均一で走る「円タク」のA型フォードのフロント部分。


旧安田庭園(Map)


 両国国技館からほど近い墨田区の公園(入園無料)。
 江戸時代の大名下屋敷に庭園が築かれ、 明治期に安田財閥の祖である安田善次郎が所有時に、東京市(当時)へ寄贈したことで名が残ります。
 写真奧の両国公会堂(レンガ色の建物)は安田財閥の寄付金により、関東大震災後の1926年(大正15)に建設されます。
 隣接の被服廠跡(ひふくしょう:現東京都慰霊堂)は、震災時の火災で数万人が焼死した地域ですから、この建物は復興の象徴のように思えたとのこと。

 両国公会堂は老朽化のため2001年に閉鎖され、墨田区は「建物の耐震・修復等の後に有効活用し、有益な文化・観光施設として再生し運営する事業者の募集」を2008年・2011年に行うも、どちらも選定事業者なしの結果だそう。
 このまま取り壊されるのを見届けるにはしのびない建物ですから、どこかにスポンサーはいないものか? と思います。
 両国=相撲だけではなく、地下鉄大江戸線が開通し総武線の呪縛も薄れたことですし(?)、若者向け施設のシンボルとして地域を活性化させるアイディアってないでしょうか?

2012/09/03

Bay Area Walk ! ──東京ゲートブリッジ

2012.8.25【東京都】──「ベイエリアウォーク ①」

 前回のラストで海と再会した際、次は気になっていたゲートブリッジを歩こうと決めました。
 これを機に、少しベイエリアを歩こうと思っています。


より大きな地図で ベイエリアウォーク を表示


 現在暮らす田町も、ベイエリアと感じる瞬間があります。
 駅前2階テラス(三田口)にある喫煙所には、風の穏やかな猛暑日でも海側からそよそよと風が流れてきます(汗は引かないが心地いい)。
 それは海からの湿気が含まれた風で、かなり想像力は必要ですが、海岸の木陰で感じる印象に近いので、都会でも「海辺の空気の流れ」を実感できるんです(汐留などでは巨大ビルの壁が海風を遮断したと問題視されている)。
 その心地よさに、すっかりベイエリアの住人気分だったりします……


東京ゲートブリッジ(Map)


 メディアの紹介でご存知のように、埋め立て地の間を結ぶ橋で周囲に大きな建造物は無いため展望は素晴らしく、実に気持ちいい見晴らしです。
 確かに気分はいいが、何も「外出は控えてください」とされるような猛暑日に歩かなくても……(家に戻り鏡を見れば、顔は真っ赤!)
 上写真のトラス天井部を道路と平行につなぐ梁がカメラ手前にもあり、その細い陰が橋の上での唯一の日陰となります。
 当然のようにみなさんその陰たどって歩きます。海上なので風は適度にあるのですが、とにかく日陰が欲しい者には「オアシス」のようでした。
 現在はまだ関心が高いようで、「はとバス」のコースになっています。


 江東区若洲と中央防波堤外側埋立地を結ぶ橋梁で、2012年2月に開通しました(歩道を併設も埋め立て地側は立ち入れないため、現在は戻るしかない)。
 それにより、江東区若洲〜大田区城南島間が結ばれ、東京港を最も海側で迂回するバイパスが開通したことになります(東京湾アクアラインは除く)。
 土曜日なので通行量は少なめと思いますが、大型車が多いためよく揺れます(レインボーブリッジの方が変な揺れ方だった)。

 ここは写真のように飛行機が頭をかすめる、羽田空港への飛行ルートにあたるため、構造物の高さ制限:98.1m以下、大型船舶が航行可能な桁下高:54.6m確保という、空と海の条件をクリアするため吊り橋や斜張橋ではなくトラス橋(三角形に鋼材を連ねて橋桁の荷重を分散する構造)とされます。
 構造物は高さ87.8m、橋桁高54.6m、長さ1,618m(横浜ベイブリッジは、橋桁高55m、長さ860mの斜張橋。レインボーブリッジは、橋桁高52m、長さ798mの吊り橋)で、橋の長さは東京近郊のメジャー橋の2倍ですから、ビジュアルのアピール度は低くても強度を保てる構造になります。


 上の中央防波堤外側埋立地が、現在東京都ゴミ埋立処分場の最前線です。
 ゴミ埋立地で記憶に残る「夢の島」は現在、新木場駅の陸側に位置します。
 その後もゴミ埋立処分場は沖を目指し、現在若洲とされる下写真地域は当時「新夢の島」とされました。
 整地後に作られたゴルフ場から「メタンガスが吹き出した」のニュースは、よく覚えています(今は大丈夫なの?)。
 一方のお台場とされる東京港埋立13号地は、浚渫砂(東京港の海底掘削の残土)による埋め立てなのでゴミの影響はなく、商業・住居利用されます。

 新しく埋め立てられた土地は「開発された領土(?)」ですから、その帰属を要求する周辺自治体間にはバトルがあります。
 お台場地区は、港区、品川区、江東区に帰属しましたが、さて、新埋め立て地の帰属先は?
 当初は港区、江東区、品川区、大田区、中央区の5区が隣接を理由に帰属を主張するも、現在橋やトンネルで結ばれている江東区、大田区に絞られ、2区で山分け(?)のようです。

 右は「猛暑日の危険性」が伝えられる日に、日よけのない炎天下で釣りをする人々。釣りバカとはよく言ったもの……
 でも、ポチポチ釣果は見られるので、やめられなくなるのかも知れません。
 一番の関心事は釣り上げた魚を「食べるの?」です。
 放射線問題も心配ですが、こんな東京湾奧のゴミ埋立処分場の岸壁で釣り上げた魚を、まさか口にしませんよね?


東京へリポート(Map)


 ヘリコプター離陸の儀式(?)を初めて目にしました。
 格納庫からは台車で引き出されるのでしょうが、誘導路を低空飛行でマーキングされた離陸地点まで移動します(低空での移動を怖いと感じるのは、映画『ダイ・ハード』などの影響か?)。
 離陸地点でしばらく低空ホバーリングを続け、管制許可の「TAKE OFF!」を受け飛び立つようです。
 上写真の上昇と同時に旋回する姿には、刑事ドラマ『大都会』(1976〜1979年)『西部警察』(1979〜84年)を想起する勇ましさがあります。

 かなり前ですが、ヘリコプター会社と測量会社が合併した会社に勤めたころ、東京へリポートの名を耳にするも今回初めて足を運びました。
 ヘリコプターからの映像にはなじんでいても、乗り物としては「非日常的」な印象があります(エアポケットの影響をガンガン受ける、と聞きます)。


 その運河の反対側には、若洲海浜公園ヨット訓練所があります。
 対岸に見える葛西海浜公園の沖合いに「ヨット訓練水域」があるらしいのですが、もう後片付けをする時間でした。
 案内には、小学4年生以上〜社会人までとありますが、利用料金の表示がないのは「結構高そう」なイメージの裏付けと感じてしまいます。

 上下2枚の写真は、ヘリコプターの離陸を待ったせいでバスに乗り遅れ、40分待ちのヒマつぶしのまったり感が伝われば、というものです。
 上は昼の部の人が帰宅後、夕方の部の人が帆を張ってくれた絵。


 モコモコの積乱雲を観察していると雲が発達する速さが実感できるので、頭上が暗くなってきたらとにかく建物内に非難、を再認識しました。
 ガキ時分の「スッゲェ雲だなぁ〜」とよく見上げた記憶は、今思えば、雨が降ってきたら遊べなくなるから「早くやろうぜ!」だった気がします。
 現在のガキどもに「近ごろの集中豪雨は昔と比べものにならないから気をつけろ」と言っても無理なことは、変わらないのでしょう……

 久しく海辺の空気を欲していたこともあり、展望の開けたベイサイドを歩くと「ただいま!」という心境になります。
 写真の被写体としては基本的に「人物が一番面白い」と思いながらも(近ごろそんな絵が増えたのは、町中だったせいか)、今回の「大きな絵」の方が自分らしいと思ったりします。


追記──報告:妹の退院

 手術から11日で無事退院しました。
 もちろん経過観察中ですが、いまのところ不安要素の心配も低いようなので、ひと安心という状況です。
 でも手術というのは大変なことですから、順調な回復を願うところです。
 ご心配お掛けしました……