2022/01/31

江戸っ子の好物──門前仲町

2022.1.5【東京都】

 年始の帰りに通った、門前仲町駅で目にした富岡八幡宮の土産袋から読み取った、「正月終了」の空気感を味わうために、「去りゆく正月の過ごし方」の提案を、受け止めて見ようかと。松の内の時分は、まだ心にゆとりを持てました……

 江戸三大祭とされる富岡八幡宮 例大祭(徳川家光の長男 家綱の世継ぎ祝賀)の、3年に一度の本祭りでは、町内神輿53基による神輿連合渡御が行なわれます。
 日本一の黄金大神輿とされる御本社神輿(右)が、隅田川に架けられた永代橋を渡御する際に、人の重みで橋を崩落させたエピソードというのは「江戸っ子の好物」ですから、何十倍にも膨らませた痕跡が残っていそうです。以後、神輿渡御は禁止され、大神輿は関東大震災で焼失します。
 近頃のような感染症の影響(延期・中止)を受けては、盛り上がりようもありませんが、氏子町会では「例大祭の通常開催」を目指し、虎視眈々と爪を研いでいるのではないかと。次回は令和5年(2023年)8月開催予定。

 成田山 東京別院 深川不動堂は、江戸時代はじめの市川團十郎(歌舞伎役者)の芝居に登場した成田山の不動明王を、実際に拝観したいという気運が、江戸っ子たちの間で高まり、富岡八幡宮 別当・永代寺に於いて出開帳が開かれたことに始まります。
 明治11年(1878年)、現在の場所に成田不動の分霊を祀ってからは、「深川不動堂」として認められるようになり、本堂も完成しましたが、関東大震災(〜再建)、東京大空襲(〜再建)、それぞれで不幸を繰り返すことに……
 「門前仲町」の名称が「永代寺の門前町」に由来することは、大分認知されるようで、実際に歩いてみて「あぁ、これが!」と、同時にサイズ感が把握できるようになると、親近感を覚えるようです。

 護摩供養が行われる本堂の外壁には、梵字(ぼんじ)の不動明王真言が配されます。サンスクリット(梵: संस्कृत、saṃskṛta、英: Sanskrit)は、文学、哲学、学術、宗教などで広く用いられた、ヒンドゥー教の礼拝用言語でもあるように、大乗仏教でも多くの仏典がこの言語で記されます。
 日常から意識して利用しないものの、インドの憲法で指定言語とされ、紙幣に記載されるサンスクリット文字には、かなり馴染んでいそうです。数字の書体表現を並べてみても、文字同様ピンとくるものはありませんし、実際の紙幣には汚れたものが多いため、判読不明とされることが多いとのこと。いまどきは、手にすることもはばかられそうとも……

 門前仲町駅前の、永代通りに面した赤門から深川不動堂へと続く150mの参道には、和菓子店・土産物店 等が立ち並び、「人情深川ご利益通り(深川不動尊商店会)」(リンク先Youtube)と命名されます。特徴的なのは、毎月1・15・28日の縁日のにぎわいで、日常の延長のような自然な人出なのに、観光地としての差別感が出せるのは、長く続く好感度と、反対意見の少なさによるバランス感覚ではないか、と。
 その参道が門前仲町の中心であるため、知名度に比べ町の規模や店舗数が控えめと感じるように、ほどほどの人出が、ちょうどいい落ち着きと感じるため、気軽にリピートしたくなるのかもしれないと。
 右:小磯象牙店

同一条件を提供する困難さ
 2021年に始まった大学入学共通テストは、2年連続してコロナ感染下で行われ、会場前での傷害事件や、(火山噴火による津波ではない)津波警報(1月16日)が出される中でも、めげることなく実施されました。発生確率のかなり低い事象が、偶発的にこれだけ重なる確率はかなり低いはずですが、当然の顔をして発生している様子から、確率自体に変化が起きているのか? とすら感じる、とても稀な事態かと。
 われわれは「コロナ感染症パンデミック」「試験会場前の傷害事件」「津波警報」を、「稀な事象」に分類しますが、これら以外にも同程度の発生確率を持つ事象は、星の数ほどあると考えると、国内に限ったとしても、同一条件の試験日を2日間連続して提供する困難さに、ようやく気付いたのかもしれない、とも……

 当事者の発表は「新型コロナの影響による急激な経営環境の変化」、というものでしたが、故 高野悦子さんに育てられた思いを持つ者の間では、これだけ長期間に渡り活動を支え続けた、盤石の運営体制(年配者を中核に据えたカルチャーセンター化)を崩壊させたのは、「情熱不足」との見方で一致しそうです。高野さんがご健在なら決して閉館にはならなかったし、それが限界とされた場合の覚悟もできていました。
 笑顔溢れる「映画語り」の姿は、現在もどこかで続けられるのでしょうから、その活動の一部に触れることができたことに感謝し、これからは、語られた映画との出会いを振り返り、じっくりと味わうことに……
 ありがとうございました!

 境内に建つ伊能忠敬 像も、大事をなすは個人の信念に違いない、と示していることと。

2021/12/27

宇宙にときめく

2021.12.13【東京都】

 普段なら遠い(不便)と感じる会場ですが、通院中の病院に近いため「足を伸ばしやすいでしょ?」と誘われるようで、乗っかりやすくて助かりました。

 宇宙を旅し続けた(2014年12月〜20年12月)はやぶさ2 帰還カプセル(小惑星リュウグウの“かけら”を含む実物)や、探査機模型(右)を眺め、宇宙に思いを馳せるだけで、気持ちが高揚し、動悸や息苦しさを覚えるようになります。
 高揚感(ときめき)を引き出すスイッチはオートマチックで、その先にはキーワードとなる出来事を中心に、周囲や背景の空気感がパッケージで紐付けされています。この時のリンク先は、宇宙にときめき興奮する姿の周囲に、宇宙や天文に関心を持ち始めたガキ時分の時代背景や空気感が満ちているため、人類が初めて月面に立ったアポロ11号の興奮を伝える、大阪万博(1970年)アメリカ館「月の石」展示(未見)を想起させ、一段と気持ちを高めてくれます。
 「宇宙にときめく感性」を持ち続けても、新たなものは生み出せないかも知れないが、埋もれていた記憶との思いがけない再会は、それ自体を発見のように感じたりします。

 タッチダウン地点を誘導する目印として、事前に投下されるターゲットマーカ(右:反射光で距離を計測する)は、球状の外側が、野球の硬式球の皮のような反射シート(2枚)で包まれます(内部は弾まぬよう、小さな粒を入れたお手玉構造)。手作り感のあるアナログ計測機器(?)を、宇宙空間に飛ばすシステムの採用には、下町ロケットにも通じる技術者魂(たたき上げの意地?)がうかがえる気がします(アナログ機器の方がトラブルは少ない)。
 小惑星探査プロジェクトの規模が、日本人の得意とする知恵や工夫を凝らした技術を際立たせ、輝きを放つサイズ感にフィットするように感じます。その相性の良さゆえ、当初想定したステージのクリアに加え、次なる目標に向けたチャレンジが始まっているような、スマートさが感じられるのだろうと……


 上は、採取試料を格納するコンテナの実物大模型(直径約40cm)で、右写真中央付近の円形部分に格納されます。

 素人目には、サンプルキャッチャー内の採取サンプルの有無が、成否の分かれ目と映っていたので、十分な採取量と知り目標達成! と見る面がありました。ですがそこは強欲な研究者たち、「サンプル量が多すぎて困っている」なんてボヤキこそが、彼らの秘めたる目標(願望)だったのではないかと。
 すでに現段階のサンプル分析からも、「含水鉱物や有機物を含む」「水と岩石が反応してできる炭酸塩の特徴」等の概要が伝えられ、来春には「隕石学の歴史を書き換える成果」が発表できそう、との予告(宣伝?)がされています。当事者なら一度はぶち上げたい、ワクワクを盛り上げる大風呂敷(?)ですし、確からしいので文句はないと思いますが、はて、どんな発見があったのだろうか? いまから楽しみです……


 今回のはやぶさ2の大気圏突入動画(リンク先Youtube)が地味に見えたのは、初号機の探査機ごと大気圏突入(リンク先Youtubeの10分付近)が、派手だった反動と言えそうです(トラブル続きで満身創痍のため飛行を中止し、探査機も同時に大気圏突入させた姿は、大成功を祝う花火のようでした)。
 はやぶさ2の探査機は、現在も拡張ミッションを遂行中で、次の小惑星に到着するのは2031年7月の予定。イオンエンジンの累積運転時間は初号機より短い、推進剤はまだ半分以上残っている、向上した耐久性を発揮する場面がない 等、託したい任務は尽きないそうです。山盛りの期待は次の計画に向けたアピールであり、研究者の強欲さのせいでもあるので、どちらのためにも最後まで任務を全うしてもらいたいと。
 宇宙にときめく心 に限りは無いようです……

 本ミッションの成果が賞賛に値するものとなり、インパクトや、ショー的な要素も求められる成果発表(アピール)の面でも、今後の目標とされるような実績となりますことを。



2021.12.27 大河ドラマ『青天を衝け』終了

 渋沢栄一という人物について決して詳しくは無いが、額面のイメージ通りの人ならば、その半生を描くだけで素晴らしいドラマになるはずですが、その時代だけで完結に至るものではなく、現代社会にも通じる普遍性を持った、大きな思いを描こうとした取り組みに、心震えました(女好き程度は許容範囲内と容認したら、イマドキでは叩かれそうですが)。
 枚挙にいとまがないほどの実績を残し、世界に名を馳せた人物の思いも、国家間の思惑の前ではいとも簡単に捻り潰されてしまうが、自身の問題意識は見失うなと訴えかけます。若い世代に志の持続を響かせるために、偉人が諭すような表現ではなく、躍動感を持って新たな時代に立ち向かう、吉沢 亮、高良健吾ら若者の姿に託した狙いは、結実したのではないか。
 健全な社会は、ハツラツと取り組む若者の表情に宿ると思えるような、見事な表情でした。

 右:飛鳥山(王子)の青淵文庫(せいえんぶんこ)

2021/05/24

花に吸い寄せられて

2021.5.8【東京都】

 遠出ができない中、近所の「なぎさ公園のつつじは4月下旬〜5月上旬頃が見ごろ」のポスターに誘われ、足を運びましたが……

 上・右は普段歩く近所の虹の広場ですが、この季節の新緑はとても鮮やかなので、何かの機会に撮りたいと思っていました。上は滝の裏を歩ける裏見の噴水ですが、もうガキどもの水遊びは表も裏も関係ない、夏の水中モードです。

 下は、新左近川親水公園カヌーポロスクールの様子で、白シャツのコーチはムッキムキです! カヌーでは上半身しか見えませんが、下半身はどうなんでしょう? オールを漕ぐ腕の力や上半身の体重移動が、推進力やコントロールには重要そうですが、水に浮く艇を安定させるには水面下に重しが必要です。下半身もムキムキゆえに、コーチの艇だけ沈み気味なのか? 水面に出る部分は少ない方が安定しそうです。
 バラが見頃のフラワーガーデンでは、人々が花に吸い寄せられるように見えます。これまでは、手入れの様子を目にするばかりでしたが、これだけキレイに咲いて人々によろこんでもらえたら、手入れのしがいがあるだろうと。
 右のバラの棘から、ガキ時分の遊び場を想起しました。広場の隣の庭でバラをキレイに手入れする家があり、ゴムボールで野球をするたびに、その庭のバラの棘に刺さってパンクしたり、街灯のカバーを割ったりと、散々迷惑をかけました。いま振り返ると「その家と喧嘩していた?」ような印象もありますが(カツオのようだと…)、あらためてバラの棘の「痛さ」を思い出しました(引っかけると赤い筋が残ったっけ…)。


 上の花がどんな色合いに撮れるかのチャレンジですが、パソコンで明るさを調整すると、グラデーション部分の色合いがコロコロ変わってしまい、元の色がわからなくなります。シャッターで切り取った瞬間の印象に近づけようとしますが、正確な再現は不可能ですから、色合い(表現)への主張(理由)が必要になります。こんな色だった気がする、こんな色が好き 等が撮影者の個性になるのでしょうが、色合いについてはそこまでの自信を持てないでいます……
 携帯電話のカメラ時分は「頭切れてない?」でしたが、広角レンズになったスマホ撮影では「花をもっと入れようよ!」等、背景や構図の工夫を楽しむ姿を目にするようになりました。

 当初の目的だった、なぎさ公園のつつじはすっかり終わっており、寄り道したカモの子育て姿も見られず(普段の場所に一羽もおらず、もう引っ越したのか、寄り付かなかったのか?)、自分の季節感が狂ったかと自信を失いかけますが、バラの花に救われました。
 今年は春の訪れから季節はかなり前倒しのため、5月中に関東も梅雨入りとなりそうな気配です……


GW中の「スカスカ対策」が招いた感染拡大

 GWの感染対策をスカスカにし、地方(北海道、沖縄 等)に感染が拡大してから、緊急事態宣言を出すことは、予定通りだったのだろうか? そうなってしまうことは、わたしでも想像できましたから、別の考えがあったのでしょう。ならば、どこの陳情を受け入れ、どれだけの経済効果があった(潤った)のか、数字を見せてもらいたいし、陳情元からの感謝の言葉も公表すべきではないか? 現在の医療態勢逼迫の危機(死者数を含め)よりも、有用と考えた経済効果の成果を示す責任があるはずです。その手の追求は野党がすべきと思うが、彼らも及び腰に見える現状を、「いつもの日本の姿」と諦められない危機感を国民は感じています。


探りを入れてきたIOC

 IOCは「東京五輪は緊急事態宣言下でも開催する」と尖兵に発言させた後に、TOPが援護射撃して、その反応をうかがっているようです(延期判断時にもあった)。これは世論調査ですから、この時期の開催に異論を唱える方々は、声を大にして訴えるべきではないか。
 国や都が、IOCに従わざるを得ない契約上の制約があったとしても、大会は日本国民を含む世界の人々のためのもので、開催 or 延期・中止(?)は世界の人々の意思によって判断されるべきです。経済効果は重要としても、にぎわいのない東京で、マスクをした人々が黙々と働く一方、競技会場周辺だけ異様に人が群れる状況としたら、一体誰のための大会なのかと……


【お知らせ】
 都合により本ページの更新をしばらく休みます(コロナではありません)。
 再開の際は、またよろしくお願いいたします。

2021/05/17

天気のいいGWは……

2021.5.4【東京都】

 外出自粛が呼びかけられるGWでも人出は減らないだろうと、行動範囲を広げる気になれないので、近所を歩くことに……


 遠出できなくても、天気のいいGWはどこか行きたい! と、家から海辺までは寄り道しながら1時間程度なので、宣言下の葛西臨海公園(都立公園)をチェックしようと。
 右は新左近川親水公園カヌー場の様子で、都の施設は閉鎖されますが、ここは江戸川区施設のため営業しているようです。都と区の対応の違いに首をかしげる面はあるも、この光景を見る限りは問題ないように感じます。国、都、区それぞれの判断があるのは当然で、予防対策をした上で楽しめるのであれば、提供するべきかと。
 この先にある江戸川区臨海球技場(サッカー、フットサル、野球場)でも、子供たちが走り回っていました。

 上は前回水辺の写真を撮った西なぎさ(昨年の宣言時は閉鎖)で、スポーツカイトチームが練習する光景をよく目にします。評価基準はわかりませんが、同調性や連動した動きは見ていて楽しめますし、流れるように連続降下する姿は、昔のゲームギャラクシアン(リンク先Youtube:画面を見ていると「ヤバイ!」とシビレてきます)のようです。連動する動作が決まるとカッコイイし、操縦者も気持ちよさそうです。

 右・下の東京水辺ライン待合所は運行休止のため屋内には入れませんが、解放されるテラスにはお弁当を広げられるベンチがあります。右は眺めのいいトイレの通路。
 公園のシンボル的なクリスタルビュー(下)は、駅前から伸びるメインストリート正面の丘に建つので、観覧車に次ぐ景色が望めます。傾斜のある通路は、子どもが駆け出すような下り坂なので、歩行速度が速く、柱の影もあるため、結構粘りました。
 公園のバーベキュー広場は閉鎖されますが、建物に併設のSORAMIDO BBQ(ソラミド バーベキュー)は、酒類販売中止・時短で営業しています。その違いの「自主管理NG:各自に任せては秩序が保てない」の判断は正しく、きっかけは少人数でも、酒が入った集団の勢いがついてしまう状況は、幾度も経験しています……
 実は前日も訪問したのですが、到着直後に下のような黒い雲が迫ってきたため(静岡県で突風被害が発生した日)、写真の親子のように逃げ帰りました。寒気・暖気のせめぎ合いにより日本の四季は彩られますが、近頃は勢力の強い両者が激突する機会が増えたため、以前は見られなかった突風(竜巻)が増えてしまいました。ガキ時分の夏に経験した夕立の仲間としても、いまどきの子どもたちはこの経験に郷愁を覚えるのだろうか?
NHK連続テレビ小説『おちょやん』終了

 本作は、女優 浪花千栄子さん(オロナインのおばちゃん(リンク先Youtube):本名が 南口キクノ(なんこう きくの)って出来過ぎ!)を題材にした物語で、彼女が歩んだ厳しい道のりをたどり、喜劇役者として人気を得る姿を描きますが、アンダーな部分が重すぎた印象があります。
 中でも彼女の足を引っ張るダメおやじ役の、トータス松本の怪演(!)は強烈で、娘よりも自分が大事と考えるダメおやじの姿には、不快を突き抜けた爽快感すらありましたが、この手のろくでなしを生み出したのは、当時の社会の未熟さではないかと。
 舞台的な間を重視するにしても、演出に工夫が感じられないため、テレビでは間の抜けた物語に見えてしまった……
 次作『おかえりモネ』の清原果耶ちゃんに期待です!


ドキュメント72時間「銀座おつまみラプソディ」

 番組に登場した聞き覚えのある声は、30年近く前に会社の先輩(亡くなられた)に教えてもらった、路地裏というか「あなぐら」のような場所にあるバーのママで、まだ店も健在であることを知り、画面に向かい拍手を! 銀座で飲むことの楽しさを教えてもらいましたが、その方が不在となってからは足が遠のいたきりに。
 にぎやかさ、華やかさでなく、地域の人たちが持っている「銀座人情」が垣間見られる、ローカル色のある番組でした。機会があったら、また「あなぐら」に迷い込んでみたいと……


東京五輪「やるよ」(首相の表現とされる)

 ちょっとカチンとくる言葉です。
 国民が、様々な思いや考えを巡らせている時に、軽々しい言葉で済ませられる問題なのかと腹が立ちましたし、彼の心づもりだけで開催が決まるものではないことを、示してやるべきではないかと……

2021/05/10

落ち着ける場所──葛西臨海公園

2021.4.24【東京都】

 週末は「No 自粛デー?」のような都心に向かう電車に乗りたくないと、千葉方面を歩きましたが、中心街近くに至ってしまいもう歩く場所がないので、また近所を散策します……


 この日は「非常事態宣言」前日の土曜日で、駐車場の車は多いも園内でそれほどの混雑を感じないのは、公園が広いこともありますが、来園客が距離感を意識しているためではないかと。子どもへの感染が増加していますから、子ども連れに密回避行動が見られるのは当然かと。

 年明けから「非常事態宣言」「まん防」等の制限が続くため、看板施設の水族園ダイヤと花の大観覧車(右)は閉鎖が続きます。観覧車は今年どれくらい回っただろうか? ある程度回さないと整備にも不都合が出るのではないか……(次の訪問時にはゴンドラの色が変わっていたので回しているようです)


 施設だけではなく、上・下のような過ごし方もできるところが、海浜公園のいいところなので、人が集まるのも当然かと。
 公園ツウには人気があるらしく、上の場所にはいつも誰かしら陣取っています。松原の木陰前には海に通じる池があり、奥にある松林の先は海なので風もほどよく吹いてきます。
 折りたたみチェアを車から運ぶように、園内では荷物を運ぶアウトドアワゴンをよく目にしますが(寝た子を乗せて引いていたり…)、明日から駐車場が閉鎖されるとそんな光景も少なくなりそうです。
 海を目指すサイクリングでは、気がはやって力が入りそうですが、海が開けた瞬間の爽快感は格別なものと。江戸川区のサイクリングロードはループ状になっていますが、荒川対岸の江東区側の始点新砂リバーステーションらしいも、何もないため物足りなさを覚えます(埋立地が続くため川の途中にある)。その代わりでしょうか、もっとも海側にあるゲートブリッジ付近のサイクリングロードは、気持ちよさそうです。
 いまどきスマホで狙うのは動画ですから、被写体(右側の彼)への要求も一発芸ではNGらしく、「動きを止めるな!」「つまんねぇなぁ〜」と、結構厳しい注文が浴びせられます。われわれの若い時分にはカメラはもちろん、動画撮影に必要だった8ミリカメラなどとても手にできませんでした。現像代を気にせず撮れるし失敗作は削除できるので、思う存分楽しめそうですし、難しさを知って次のステップにチャレンジできるのは、とてもうらやましいと。
 女子たちは、海に入らなくても足を多めに露出して、蹴り上げる水しぶきを撮影しています。どちらも若さが売りですが、見たいのは後者の絵ですよね……(前者はクリックしません)
 右のような2ショット写真も、画面を確認しながら撮れるので、イチャイチャ楽しめますし、以前のバカチョンカメラと違い広角レンズなので、失敗も少なさそうと。
 スマホ写真は、その場でシェアやアップができるので便利だし、彼女の写真をいつでもスマホで見られるのはうれしいとしても、その後はどうするのだろうか? 家の押入れから「こんな写真が出てきた!」は笑えても、別の女性とスマホを見ていて表示されたらどうしましょう……


国民より五輪を重視する「政治判断」

 大都市部では、ほぼ変異株(英国由来の系統)に置き換わり、インド株も確認されたらしいが、それらは堂々と「ザル」の空港検疫を人とともに入国したようです。ワクチン接種後進国としては、海外からの入国者をきっちり「隔離」することが必須なのに、要請だけで抑えられると考えた甘さによる「人災」といえます。その上、五輪で入国する選手に優先接種させる方針は、国民より五輪を重視する「政治判断」と受け止められ、国民の怒りを買って当然です。
 国民の生命・財産を守ろうとしない政府の、国民だけを締め付ける政策に対する反発は、非常事態宣言下の「No 自粛」で示されているのかもしれません……

2021/04/12

春なの〜に♪ ──大島小松川公園

2021.3.27【東京都】

 陽気がいい週末なので人出はありますが(花見シーズンにしては少なめ)、広い公園なので密集率はかなり低く見えます……



 荒川西側の土手沿いには、小松川千本桜とされる桜並木があり、同じ江戸川区の新川千本桜に比べ、圧倒的な迫力があります(密度が違う)。普段なら桜の下に無数の輪ができますが、バーベキュー場閉鎖+自粛のため、桜の方が寂しがっているようにも。千本桜は宴会場のような場所ですが、隣接する大島小松川公園は開放感があるため、格段に魅力的な桜が楽しめます。
 毎回触れますが、以前周辺は日本化学工業の六価クロム鉱滓の捨て場所で、その上に盛り土して公園が作られたため、クロムが染み出してくるとのこと。盛り土で猛毒は浄化されませんから、ごまかすために都立公園整備に力を入れるのではないかと、訪問の度に考えてしまいます。

 下側のネモフィラはまだ咲き始めで、物足りないと感じるのは(見頃は4〜5月で、名所とされる国営ひたち海浜公園の見頃はG.W.時分らしい)、桜が早すぎるせいかと。冬から干されているコキア(ホウキグサ)がまだあります。
 カメラの背後にある広大な自由の広場は(周回ランニングコースは800m)、開放感あるだだっ広い緑地なので、「思いっきり遊んでこい!」と子どもを放してやっても犬と一緒で、あまり離れた場所まで行けないのではないか?
 これだけ広いので「No 密」と思うも、人はどうしても周縁部の木陰に集まってしまいます。空間の広さや、人数も大きな要因ですが、人の習性が最大の問題であることがよくわかります。


 上は旧中川で、池のように流れのない水路(水門に守られる運河)は、ボートの練習コースに利用されており、水面から見上げる満開の桜は、オールを漕ぐ手に力を与えてくれそうです。ボートには水上で区別しやすい色を使用するようで、色ばえのいい絵になります。

 宴会自粛の桜の下で右の姿を見かけます。橋の上からなので不明ながらも、桜の枝に吊るしていたらレッドカードですが、いまどきは支柱で支えるハンモックもあります。こんな場所でゆらゆらできたら極楽気分でしょうし、そのまま永い眠りについたとしても、きっといい表情をしていそうと……

 右は、手前の女性たちと奥の男性が川辺の遊歩道で偶然出会い、女性が「○○くん…」と立ちすくむ姿? を狙いトリミングしたものです(見えません?)。高校卒業後の再会、春休みで地元に帰った大学生(今年はないか…)の再会、いずれにしても桜が満開の下で会えたら、特別な縁を感じてしまいそうです。
 桜の花に、門出や出会いのイメージを連想する季節感は、明治期以降の生活から根付いたようで、比較的新しい日本文化と言えそうです(江戸時代の年度区切りは暦と同じでした)。
 普段なら、この季節の日本人は浮き足立つものですが、ことしも浮かれることなく春なの〜に♪(リンク先Youtube)となりました。次の春こそ、酔っ払いたちの「乱舞」(死なない程度にね)を、呆れ顔で眺められることを……


想像した通り、では済まないかも……

 大阪・東京をはじめ、緊急事態宣言解除のタイミングは「早すぎる」と感じた人が多いにもかかわらず、さっさと解除することが好印象につながるとの考えらしいが、「またすぐ感染拡大しそう」と想像した通り、ひと月での制限再開でまた評判を落とすことと。
 まん防(まん延防止等重点措置)適用前日の日曜は好天だったこともあり、近所の自然動物園には行列ができるほどの人出がありました。繁華街の人出増を含め、駆け込みで出かける人たちは、「今日までは感染しない」と思い込んでいるのではないか?
 最大の敵とされる変異株については、情報・知識が限られるため、これまで以上に警戒する必要がありそうですが、ワクチンが行き渡るまでは、われわれに可能な対抗措置は、これまで通りの警戒を続けることしかありません……

2021/04/05

2度目の春

2021.3.27【東京都】

 街頭インタビューで「感染拡大は怖いですよね〜」と答える人と同様、「お前が密の元凶だろ!」と言われぬよう、密にならない場所で花見を……



 上は近所の行船公園(ぎょうせん)で、普段は子ども連れがシートを広げてにぎわう場所ですが、花見の季節には密集防止の看板が立ち監視員が配置される、江戸川区立公園の中でも警戒が強化される場所のようです。「感染拡大防止策って何かしてるの?」に対する答えは、こういう制限になりますから、気持ちよく花を観賞できるよう、各人が「自粛」の意味を考えるべきかと。母子から父に「お土産はいらないから!」と伝える狙いとしたらいい作戦かも。


 昼前後という時間帯のせいか、いつも水辺に群がるガキどもは少なく、しばらくぶりに開園した隣接の自然動物園も、人が少ない印象を受けます(再開を知らないだけ?)。ですが、ランチを手にする人は多いため、限られるベンチ周辺には人が密集してしまいます。「避けるべき」の意識は持っていながらも、「みんながやっているから大丈夫だろう」と群れるように見えます。それでも諸外国に比べて感染者が少ないのは、キスやハグ 等の習慣がない理由によるのか?


 咋春も紹介したしだれ桜の期待感から、「花咲かじいさんのお手並みは?」と楽しみにしていましたが、勢いが感じられないのは樹の年齢ではないかと。イメージする姿は、三春滝桜(推定樹齢は1000年以上:福島県)や、六義園(推定樹齢70年。今春は感染拡大予防のため臨時休園)ですから、期待しすぎかも(1989年開園でまだ若いせい?)。
 枝を支える柱(も細いよね)も美観の一部とされる姿に、日本人の美意識の柔軟性が感じられます。


 咋春と同様に新川西水門広場を歩きますが、陽気がよかったためか、昨年に比べるとそこそこ人出があり、明るい表情が見られることに、わずかながら希望を感じたりします。
 行動範囲が限られるコロナ世の花見も、2度目の春として記憶に刻まれますから、しっかりと体感しておくべきなのだろうと……


口うるさい飲み屋のおばちゃんの出番です!

 官庁連中の「悪い見本」(出世の芽を摘む罰則を策定しては?)から、だらしない飲んべえに対して叱責する存在の必要性を感じます。いまこそ、飲んべえ連中に敢然と立ちはだかって来た「飲み屋のおばちゃん」の出番です! 酔っ払いに「もうダメよ!」「早く帰りなさい!」と、キッパリ言って従わせる力を持つのは、おばちゃんしかいないのではないか。酔っ払いは勝手に愛情と受け止め、叱られるまで安心して飲むように、時短営業店への協力金一律支給という手抜きでなく、愛のムチ(?)を示せる店舗にこそ報奨金を出すべきとも。
 自治体には店を味方につける取り組みが必要ですし、被害者ぶる店側にも、協力姿勢を見せない店は切り捨てられるくらいの切迫感(脅し)も必要かと。コロナの影響を受けているのは飲食店業界だけではありません……


田中邦衛さん逝去

 田中邦衛さんが画面に登場すると、目はどうしたって彼の姿を追ってしまいます。個性、演技力や存在感に引きつけられるのだと思います。加山雄三さん(若大将)の活動再開を耳にし、ホッとしたばかりでした。「北の国から」は見ていませんでしたが、吉岡秀隆(純)、中嶋朋子(蛍)との3ショットこそ、彼らにふさわしいポートレートに感じます。
 日本人の持つ「心のあたたかさ」を、体現してくれた人だったと……
 ありがとうございました。


池江璃花子 選手が五輪代表に内定!

 2019年2月白血病と診断され10か月の入院、20年8月レース復帰、21年4月五輪代表を勝ち取るとは、素質はもちろん、目標に向かう並々ならぬ努力の成果という以外にありません。若者の罹患率が高いとされますが、若さゆえに克服できたとも。
 彼女にとっては、以前のレベルに到達できたことが大きな喜びであり、五輪で競うことが大きな目標なのでしょうが、もし東京五輪が中止となっても、腐ることなく次の目標に向かい、さらに大きくなるのではないか、と期待が膨らみます。
 病気と戦う人々に大きな希望と勇気を与えたことと……